自称兄に攫われた【文豪ストレイドッグス】【中原中也】

恐怖 ページ27

痛い。



髪を掴まれて引っ張られたようだ。


一気に意識が戻って来るが、ズキズキとした頭の痛みまで戻ってくる。



「…」









「ふっ、戦闘員でないとはいえマフィア。流石だな、もう少し騒ぐかと思ってたぜ」




「…騒いだら帰してくれますか？」





私は何を言っているんだろう。こんな事を言う余裕などないのに。手は拘束されているし、ここがどこかなど分からないが、逃げる事はほぼ不可能だろう。








「ゔっ、…」







思いっきり殴られる。
こんな事をされたのは久しぶりだ。





痛みで生理的な涙が出てるが、恐怖からの涙は出さないようにした。





「知ってるか？お前がいつもくっついてる幹部様は俺の組織を潰した。仲間もたくさん死んだんだぜ？」






怒りのこもった声で吐き捨てられる。

中也さんのしている事は知っていた、彼はマフィアだし、私も一応マフィアなのだから。





「っ、知る訳ないじゃないですか。興味、ないです、から…」









「ｶﾊｯ…！っ、い"」


殴られて倒れていたところをまた蹴り飛ばされる。




痛い




最悪だ。









でも、私ならまだいい。









何も言わずに出てきちゃった、
【お兄ちゃん】って呼んでもおけばよかったな。


そう後悔した。









「お前を餌にあいつを誘い出して殺してやるよ……なァ、助けようとしたやつが殺されたてたら、幹部様はどんな反応すんだろうな？」








ニヤニヤと気持ちの悪い笑みを向けられる。









それだけはダメだった。何があっても、それだけは絶対に。



「…だ、め…！」









だってあの人は、中也さんは、私の最後の









＿＿＿＿＿“家族”なのだから






それに…




、






、






、







、







、







、









「俺の妹に手ェ出してんじゃねェよ」

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