【SERVAMP】 一帯誰が←シリーズ・アンコール【アンソロジー】２

桜の夢メモリーズ 3枚目 ページ10

『ふんふんふーん』

呑気に鼻歌を歌いながらコップに入っているストローをかき回す少女が一人。24時間やっているコンビニのテーブルに腰掛けて、あの黒い髪の美少女が帰ってからかれこれ一時間。桜色の髪の毛を持った少女は髪と同じ目を窓に向ける。彼女ほどではないが、少女もそこらへんのモデル顔負けの容姿をしていた。
自動ドアが滑らかに開き、中に入ってきた人物を見るまでもなく、少女は言った。

『最近のコンビニってさ、カフェみたいな機能ある上に24時間営業だから便利だよねぇ。そう思わない？』


対して話しかけられた人物は、初対面の少女を訝しげに見つめた。


「誰だお前」









『ただの暇人。ちょっと特殊なだけだよ、桜哉』





飲む？と差し出されたコーラを受け取りながら、桜哉と呼ばれた緑色の髪の少年は少女の正面に腰掛ける。








「……誰だよ」









『だから暇人だってば。なんならお話でも聞いてあげよう。君も、誰かに愚痴でもなんでもいいから聞いて欲しいだろう？』









「そんなこと誰も言ってねぇよ」









『じゃあ言い方を変えよう』



アイスティーを啜っていた口を離し、少女はニヤリと笑った。








『私の暇つぶしにでも付き合えよ、吸血鬼』

桜の夢メモリーズ 4枚目→←桜の夢メモリーズ 2枚目

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す