【SERVAMP】 一帯誰が←シリーズ・アンコール【アンソロジー】２

【続き】 ページ40

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リヒトには好きな人がいる


ただ、それが恋なのかはオレにはわからない。もともと何を考えているのか理解できない妄想電波バイオレンス天使だし、その問いを聞く前にオレは壁にぶち当たっているのだから当然と言えば当然なのかもしれないが

何せリヒトは、多分他の誰よりも純粋で、キラキラしたものが大好きな子供なのだ


嫌いなものは嫌い、好きなものは好き。歳を重ねるに連れ、色々なものを学び、沢山の人間とふれ合うことで、それを隠す狡さを覚えるのが人間だ。しかし先程も言った通り、純粋無垢な子供のままであるリヒトはその好きと嫌いを惜しむことなく外に出す


只でなくとも理解不能な大天使様。それが恋という感情を持ち合わせているかも怪しい。リヒトが彼女が好きだというのはわかるが、それは果たして恋なのか

まだ人を狂おしい程に愛すことを知らない子供の、恋愛と友愛の境目は一体何処にあるのだろうか



リヒトにとって、彼女は一体どのように見えている？キラキラと輝く宝物？呼び名の通り美しい漆黒を持つ堕天使？それとも誰よりも強欲な大天使様が手に入れたくなるような、そんな唯一無二の存在か？

少なくともオレには。何をも透き通す一切の淀みない、風のない日の湖のような。そんな澄みきった心を持つ、大天使様の見る美しい世界は理解することができない




だから、そんな恋というものを恐らく知らないであろう大天使様へ。それでもきっと、彼女のことが、綺麗で尊い、何よりも愛おしい宝物に見えているだろう大天使様へ


そんな彼女を、きっと幸せにしてください






「……って言っても、リヒたんだったら心配無用っスよね」

「あ？何だ急に気持ち悪ぃ。そのまま死んだらどうだ」

「相変わらず酷いっスね！……リヒたんだったらダークエンジェルちゃんのこと、一生かけて幸せにするだろうな、って思っただけっスよ」





オレがそうでしょ？、と問いかければ、唯一無二の相棒は当然だ、と。いつもの決め台詞を口にしたのだ







【自分が前を向くきっかけをくれた少女について考えた、臆病で優しいハリネズミの話】





ありがとうございました。これにてお開き！






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