【SERVAMP】 一帯誰が←シリーズ・アンコール【アンソロジー】２

昔の事はそうめんと一緒に水に流そう　2 ページ25

＊3 years ago＊


「海だぜぇぇぇいやっふうぅぅぅ！！」

　三年前の私、中学一年生の城田Aは、その日初めて友達だけで海に遊びに行った。準備も自分達でして。虎雪ん家の車じゃなく、バスに乗って。
　有り余る元気さとテンションのせいで、一緒に居た龍征と虎雪が生温い目で見られてたのは気のせいだったと信じたい←

　とにかく、大人の目から離れた解放感で気持ちが昂っていたんだ。

　一旦別れて水着に着替え、合流したあと、虎雪が自分のカバンからカメラを取り出して言った。

「ねぇねぇ、友達だけで海来た記念に写真撮らない？。僕お父さんのデジカメ借りてきたんだ！」

　私も龍征もすぐに賛成し、海の家のおばあちゃんに撮影を頼みに言った。おばあちゃんはスイっていう名前なんだけど、優しくてお菓子をくれるから、本物のお祖母ちゃんみたいに慕われてた。ただ、去年の夏に亡くなってしまったけど。
　まだ健在な当時のスイおばあちゃんはニコニコしながら言った。

「おや、Aちゃんと龍征ちゃんと虎雪ちゃんだ。今日はお父さんは……ああ、そうかそうか。もう中学生だもんねえ。あんなに小さかったのに……」
「おばあちゃん！いつもちゃん付けありがとう！！」

　私達の成長に感傷に浸っているおばあちゃんに、結構な勢いで頭を下げた。もう当時の私は「女子力(笑)」とか言われてたので、ちゃん付けが凄く嬉しかった。そういえば逆に虎雪はこの頃からすでに女子力溢れ出てたな。性別考えたら普通逆だろ？←
　ただ、成長した龍征にとっては“ちゃん”は恥ずかしかったみたいだけど。

「それで、……写真の話だったね。いいよ。撮りたい場所はあるかい？」
「えーとね、ここでと海に入った時の！」

　私達は海の家の前に並び、ピースして写真を撮った。その後海にバッシャーン(←)して、三人で笑ってるところも撮った。

「ありがとう！おばあちゃん！」

　思い出を形にして残した私達は、水の中で遊びまくった。龍征が私の着てきたワンピース型の水着を見て「永遠の0だよな……？」とか言ってきたのも、仕返しとしてビーチボール龍征の顔面に投げつけたのも、虎雪がゴーグル無くして皆で捜し回ったのも、全部覚えてる。

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