【SERVAMP】 一帯誰が←シリーズ・アンコール【アンソロジー】２

昔の事はそうめんと一緒に水に流そう　1 ページ24

「もういっちょいくぞー、それー！」

「おい龍征それ私の使ってた器と箸だぞ」

「はぁ！？使っちまったんだけど！」

「あ、割り箸と器、マスキングテープあげるからそれに名前書いて貼ってね〜」

「「虎雪、手遅れ」」←


　今日は虎雪ん家の庭で流しそうめんパーティー。あの半分に割った筒の中を泳ぐ麺を捕獲して、細切れに噛み砕いたのち消化液で存在を亡き者にする残酷なゲームだ。←

　夏の焼けるような日射しの下、虎雪のお父さんが流してくれる麺を、私と龍征は激しくバトりながら、虎雪は普通に美味しく頂いている。(さらっと間接キスとかあったのは記憶から消した)←


「龍征……これ以上私の邪魔をしてくれるな…………右腕が疼くんだ……もしかするとこの右腕が捕らえるのはそうめんじゃなくアンタの目玉かも知れない……」←

「たかが流しそうめんで何で失明しなきゃいけねぇんだ！」←

「たかが！？今たかがって言ったか！？これは聖戦だぞ？満腹感を賭けた」←


　こんな感じで楽しく(？)そうめん狩りをしてた時、筒の先端から水がこぼれ落ちる様子を見て、私はある出来事を思い出した。


「龍征、虎雪、覚えてる？中1の皆で海行った時のこと」

「ああ、あれか……あれは大変だった…………」

「クラス中巻き込む大騒ぎになったもんね……。他のクラスでも結構噂になってたよ？」


　そんなに広まってたのか。でも確かにあれは異常だったしな。


「まぁ、普段の私達を知ってる人からしたらラグナロク【最終戦争】の始まりと思っても仕方ない感じだった」←

「中二ワード普段使いすんのいい加減やめろよな。暗教のカルマ通り越して中四病だぞ」←

「何だそのネーミング、私が高校生の頭脳すら持ってねぇと言いたいのか」←


　そんな他愛ない会話の中、私の頭にはその頃の3人の関係が鮮明に浮かび上がっていた。




　＿＿あの、史上最悪の分裂の様子が。

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