【SERVAMP】一帯誰が←シリーズ・アンコール【アンソロジー】 (ページ8)

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ちょこれーと　ページ8

玄関を開けて、ようやく帰宅。あちゃー７時過ぎちゃったか。まあ今日はしょうがないだろう。
リビングに向かい、私の肩で猫の姿になりぐでーっとなっているクロを、ソファーの上にそっと降ろしてあげる。降りたとほぼ同時に人型になった。
「あー、疲れた…」
「ははっ、お疲れ様」
ソファーの上で崩れ落ちているクロを見て、思わず笑ってしまった。
「笑い事じゃねーぞ…」
「ごめんごめん」
そう応えながら、冷蔵庫に買ってきた食品類を詰めていく。
「あ」
小さく呟いて、ある物をを見つける。
「あー、忘れてた」
朝トリュフ渡したからなー、と軽く苦笑いをした。
「クロっ」
「？」
いつの間にか、座ってコーラを飲んでいたクロの近くまで行き、青いリボンでラッピングされた黒い箱を差し出す。
「はいっ、これ」
「何だ？」
クロは受け取った箱をまじまじと見つめる。
「バレンタインのチョコだよ」
「朝貰ったぞ？」
「あーうん。朝のはオマケ。こっちを渡したかったんだ。なんだかんだで、いつも世話になってるしな！」
それに……
「それに、クロがこの家に来てから楽しいんだ。ま、勿論前も楽しかったけど、こうやって家に居る時に、一緒に誰かが居て過ごせるって、やっぱり良いなって。
今は戦争やらで忙しいし、正直面倒くさいけどさ、でも…賑やかで好きだな。こーゆーの。
だからありがとう！クロ」ﾆｺｯ
「…A」
ハッ
つ、つい熱弁をしてしまった。
クロも、ポカーンとしている。
「うわわわっ！わっ、忘れて！今のっ！！」
さー、夕飯の準備だー！と多少無理矢理だか、話題を逸らす。
台所に立ってエプロンを着る。が、ある事を思い出し、再びクロのもとへと移動する。
「クロっ、ごめんお風呂沸かしといて」
「えー…」
「あっ、それと…」
私は少ししゃがんで、
「これからも宜しくねっ！」
Chu
そう言い、クロの頬に軽くキスをした。
「！？」
「うっし、んじゃ作ってくる」
そう言って、今度こそ私は台所で夕飯の準備を始めた。
「(あっ、そう言えば…
叔父さんに、キスは家族以外人にしちゃいけないって言われてたんだっけ。小さい頃からの、家でのお父さんとお母さんとの癖がでちゃったなー……まっ、いっか。クロももう、私の大切な家族だしね♪)」