【SERVAMP】一帯誰が←シリーズ・アンコール【アンソロジー】 (ページ27)

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吸血鬼だらけのファミレスバイト!?その６ページ27

涼しい風。揺れる制服のリボン。そして私の体には――――

「死ぬ死ぬ死ぬ…足が死ぬ…」
天使の悪戯か、悪魔の罠か。悪魔の罠に決まってんだろ、ボケェ!!←

今…何時だ…?……あぁ、明日この糞ハリネズミ、ブッコロ確定だな。ちなみにブッコロはね、ぶっ殺すって意味なんだ!テへへッ★←

「クロぉ…おぶってぇぇ……」

「ふ…ふざけんな…オレだって…筋肉痛で死にそうなんだよ…」

「不老不死だから…だいじょーぶ…だろーが…」

「おい悪魔…床に座れ……」

「どーせリヒたんのことだから…椅子になれって言うんだろうとは思うッスけど……今は無理ッス……諦めてくれッスよ…」

私達四人は、やっと客がいなくなった店内の中央辺りで、お互いの背中を合わせてどうにか立っている状態だった。

ガクガクと震える足、晴天の色に染まった顔を見るからに、ただの変人にしか見えないだろうが……残念だな!!もう客は帰ったのだよ!!!←

「きッ…筋肉痛とはむっ……これ以上向き合えねー…!」

「え、嘘だろ、クロせんぱっ…ぎゃぁぁあああ!!?」←

もう嫌だ。バイトなんてもうやらない。

「疲れたぁぁ……!」

「うるせー……」

「本当疲れた。カップ麺買って帰ろっか、クロ」

「おー…ラメ王がいい…」

「えー?あれ高いんだよなー…」

私とクロは疲れを体に残しつつも、店から出た。リヒトさんはクランツさんと一緒に帰ったけど、ロウレスはまだ店に残るらしい。大変だなー、ロウレスも。

あ、そうだ。

「クロ」

「あー?」

「まだだろ、あの返事」

「…あぁ」
クロは気まずそうにそっぽを向く。…ほんと、ツンデレだよな。
だけどそこもクロの持ち味だよね。私はクロに向き直って、

バチン

「…!?」
クロが額を抑えて、涙目で驚いた顔を浮かべた。デコピン、大成功。私はついつい笑ってしまう。

「これからもよろしくなッ!」
私はバッとクロの手首を掴んで、走り出す。クロが何か言ってたけど、気にしない、気にしない。

「早くコンビニ行って、ラメ王買おうぜ!」

「…メンドくせー…」

吸血鬼の彼の口元が、僅かに緩んでいたことを彼女は知らない。

けれど、二人の友情(?)が強くなったのは、二人共確かに感じ取っていた。
　 ―――――終