【SERVAMP】一帯誰が←シリーズ・アンコール【アンソロジー】 (ページ26)

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吸血鬼だらけのファミレスバイト!?その５ページ26

いつものパーカを着込んだ桜哉が、店から出ていった。

「良かったなぁ…」

「あー…?何が…?」

「桜哉。相変わらず元気だったからさ…嬉しかったんだよ」

「………」

「?クロせんぱ――」
私はそれ以上口が開かなかった。…クロが、何だか『怒っていた』から。

「クロ…?どうしたｎ「お前さぁ……」」
クロが強く私の手首を握る。

……今、私が感じていたのは、クロに手首を強く握られた痛みよりも…心に押し寄せてきたクロに対する恐怖だった。

クロには悪いけど、怖かった。鉄と一緒にいた時も、クロがこんな声で、こんな顔で、私を睨むなんてなかったから。

「いい加減にしろよ…いつもいつも…お前の口からは、あの温泉男とか貴様ちゃんの名前しか出てこないしよ……」

「え…?」

どういうこと何だろう。鉄と御園が何かしたのか…?
なーんて考えてたら、私の体はグイッと引っ張られて。

数秒後には…あれ、ここ何処だ?

目の前には男子用の制服。ネクタイ。暖かさ。それ以外なくて…。

耳元に、クロの声が響いて消えた。

「たまには…オレも頼れっつってんだよ……」

「へ……?」

？え？what?why????
脳内にずらーっと疑問符が立ち並ぶ。頼れ?え?どういうこと?何を頼ればいいんだ?っていうか、何でクロは怒ってるんｄ…

「………」
パッとクロは私の体を離す。そんでもって、トイレに入って行ってしまった。

……待てよ、『離す』?

「ッ～～～!!?」
私は咄嗟にバッと体育座りをして、両手で顔を隠した。
顔が熱い。速くなる鼓動。今にも顔から湯気が出そうだ。

「馬鹿野郎っ……!!」
あのムッスリ…!後で鳩尾決めてやる…!!

「馬鹿で悪かったッスねぇ」

「うわぁああ!!?」

唐突に頭上から声が飛んで聞こえてくる。えぇ!?誰だよ、こんな時にと思った瞬間、熱かった顔の火照りはどんどん氷並に冷え込んでいった。

「うっせぇ、チャラ男」←

「本当、最近更に口悪くなったッスよね、アンタ」

お前だけだ。馬鹿阿保屑野郎。←

「で?何の用?もうバイト終わりだよな?」

「あのー…兄さんは?」

「え、クロ?」
…とてもさっきのことは言えねぇよな。私が誤魔化すと、ロウレスは視線を横に寄せて、

「へぇ……」
と、何だかつまらなそうにそうぼやいた。……?

「ま、良いッスよ!兄さん、役に立たなさそうッスから!」

「は?役に立たない?」

私はレジを見た。そこには……

「修羅場…」

大勢の人、人、人。