ある日うちにやってきたコナン君。

4日目 ページ5

「うん、単刀直入に言おう。君はコナン君だ」

「……？」

しばしの沈黙に私は自分が何を言ったのかを理解する。いや、何当たり前のこといってんだ、私！

そしてこの際だから思い切ってコナン君に本当のことを伝える私。
ボキャブラリーの少ない私が必死に言葉を探してつかったんだ、勇者だと思う。

コナン君は可愛い顔に似合わない真剣で険しい顔になり、お決まりの推理ポーズをとる。
私はそんな姿を一枚パシャリ。

コナン君は変な目で見てきたが、絶対消してやらないもんね！保存して待ち受けにしてやる！という、変な意地で本当に待ち受け設定に。

「お姉さんと僕の世界は違うってこと？」

「そうなのかな？」

質問に質問で返すと呆れた顔になり、コナン君はこいつバカだ、と目で訴えてくる。
確かに、頭がいいかっていったら、万年平均点だけどさ、ぴったりだけどさ。

成績はオール3だけどさ。そんな顔しなくったっていいじゃないか。これでも、先生から褒められるんだぞ。狙ってやってるのかなんて疑われた時期もあったけど、最近は褒められるんだから！

暫し考えた後コナン君は口を開いた「うん、信じるよ、お姉さんの話」

「え！？ほんと？？」
自分でも最後まで疑ってたくらいなので、コナン君が信じられるとはおもってなかったけど、こうもあっさり信じてくれるとは。

す、すごい。よほど私の説明がよかったのかな？えへへ、としてると「お姉さんの説明だとちょっとわかんないところもあるけど」とつけたすコナン君。
みかけによらず酷いな。
そういえば今の状況を表せる言葉があったと気づく。これってトリップってやつなんじゃないかな。
最近よくきくなあ、としみじみすると「お姉さん」と現実に引き戻される。

まてよ、だとしたらコナン君は住むとこがないし、交番なんかにいけば大騒ぎだ。そんなの絶対コナンファンとして嫌だと思った私は、何を思ったのか「よし！私と同居しよう！！」といっていた。

コナン君は自分の肩をがっちりつかむ私をみて、引いたように、「う、うん…」と答えた。
よく考えたら私、これって誘拐なのかな。


でも、何かコナン君といるといいことが起きる予感がしたので、これが女の勘なのかと納得し、これでいいのだ、とバカボンのパパ風にいった。

(私のことはAお姉ちゃんってよんでいいよ♡くれぐれもおばさんなんてよばないでね！)

(Aお姉ちゃん…？)

(可愛い、可愛すぎる。中身が高校生と知っててもあざとすぎる！)

(ははは、Aお姉ちゃん大丈夫？頭)

(今馬鹿にされた気がする！)

5日目→←3日目　

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す