ある日うちにやってきたコナン君。

23日目 ページ33

中條君には事情を説明し、戸惑いながらも信じて協力するといってもらえた。

協力....それすなわちコナンくんがもとの世界にかえる方法をさがすこと。


「はぁ....」
今日何度目かわからないため息をはく。

「なに？さっきから気持ち悪いんだけど」

弱ってる友達にこの容赦のない言葉。
しまちゃんである。

「しまちゃんはさぁ」
わかっていてもいやだとおもうことってある？


「ごめん....なにいってるか全然わかんない」

コナンくんがかえるなんてこと、前々からわかってたのに。



そう思った日も、あった。
そのたびに不安になって、涙をながしたこともあった。

でも次の日には何事もなかったかのように忘れてた。考えないようにしてた。



やっぱりこんなに暮らすと情だってわくし、一人暮らしの私にとっては彼がいる家に帰ることが唯一家に帰る理由であった。


もとの世界にもどってコナンくんになんのとくがあるというんだ。


ただ危険なめにあうだけじゃないか。
コナンくんはみんなを助けるけどみんなはコナンくんを助けてはくれない。



そんなところに帰る意味なんてないじゃないか。
それでもコナンくんは帰りたいのかな。


「あー、あの男の子か。


そんなにすき？」




「そりゃ、ずっと一緒に暮らしてたもん
」



「ほんとにそれだけ？私にはそうはみえないんだけど」



「どういうこと....？？」


「ただの同居人にそこまで悩む？」


ただの同居人。
その言葉に違和感を感じた。
違う。ただの同居人ではない。

一人暮らしで心細かったときに来てくれたのがコナンくんだった。



楽しくて、もしかしたらもっとまえから友達だったんじゃないかと思ってしまうほど大切だった。




ただの同居人にしては思い出が多すぎる。
でもきっとコナンくんだってもとの世界には思い出が多くあるはずである。


中條くんの協力に素直に喜ぶことができなかった。どうしても、一緒に帰る方法を探す気になれなかった。



それってぜんぶかえってほしくないからっておもいからきてる。


でも、そのおもいってどこからきてる？？

友達って呼ぶには違和感があるし、家族とよぶにも違和感がある。

親友、っていうのかな。


こういうの。でもしまちゃんにいだく感情とはちょっと違う。


コナンくんって私にとってなんなんだろう？？

この気持ちってなんだろう？

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