19日目 ページ23
ピーンポーン
コナン君も私も寝ている時間の朝9時。静かな家にベルの音が鳴り響いた。
私は誰だよ、もうと文句を言いながらも宅配便かセールスか宗教だと思い、とりあえず印鑑とお金を持っていく。
勿論買う気も、入る気もない。物はちゃんと受け取るけど!
寝巻が見えないよう、季節外れのコートを羽織り、サンダルをはき玄関のカギをあけ外に出た。
「はーい」
ちゃんと確認するべきだったと思う頃にはすでに遅し。
目に入ってきたのはポスト近くにとまる黒のお高そうな車、おしゃれで高そうな服を身にまとった美少女。
私はこの人を知っている。
でもなんでいるのか理解が追いつかなかった。
「しまちゃん・・・!?」
「おはよ」
「な、なんでいるの…?」
まさかの訪問に驚き思わず手に持っていたお財布と印鑑を落としてしまう。
そんなことお構いなしに家に入ろうとするしまちゃんに慌ててカバディー(通せんぼ)をする。
コナン君が誰が来たのかと起きてしまい、もうすぐそばにいるからだ。
家に年端もいかない小学生を住まわせてるなんて知られれば警察直行コースだ。
悟られてはいけない。隠し通すんだ、私の女優魂にかけて!(※決して女優ではない)
「いや、暇だったから」と至って冷静に言い放ち私に向けていた大きい瞳を私の後ろに向けた。しまちゃんはニヤリと笑い私を押しのけて前に進もうとする。
驚いてカバディーが疎かになり、呆気なく腕をよけられる。
少し前に進んだところでぴたりと足を止めた。目線を下にむけ悪戯な笑みを浮かべる。
長年培った嫌な予感とはあたるもので。
「…へー、あんた一人暮らしじゃないんだね?」
…そっこうでばれた!
「え、えー?なんのことかな?一人暮らしだぜィ?」
「口調、口調。…あんた嘘下手すぎ。口とんがってるし目泳いでるし、どこの漫画だよってくらいわかりやすい。」
その言葉に危険信号を察知した私はくるりと踵を返し
「今日忙しいから来てもらったのに悪いんだけどじゃあね!」
と玄関に逃げ込もうとする。
これぞ最大の作戦。しまちゃんには悪いが、この私のフィールドからは強制退出してもらうぜ、いまバレるわけにはいかないんでな!
玄関に直行する私にしまちゃんは本当に普通の大きさの声で「あの小さい靴、あんたのじゃないよね?」といった。
その言葉にダッシュしていた私の足がピタッと止まり、その勢いで顔面から地面につっこみコンクリートと熱いキスをした。
「何言ってんの、あれは私のだよ…?」
あはは、と笑う私にしまちゃんが一言。
「あんた、弟の太郎なんていないよね」
と、にやりと笑った。
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ニッチ(プロフ) - 初めまして!とても面白かったです!キュンとして切ない感じが良いです!番外編とか見てみたいなって、ちょっと思いました! (2018年7月6日 4時) (レス) id: 82d03a44e1 (このIDを非表示/違反報告)
ミカミカ(プロフ) - * 森さん@tear *さん» ありがとうございます!楽しく読んでもらえて嬉しいです(*^^*)了解しました! (2018年1月9日 20時) (レス) id: 53b155e8d7 (このIDを非表示/違反報告)
ミカミカ(プロフ) - 月影愛梨さん» 了解しました! (2018年1月9日 20時) (レス) id: 53b155e8d7 (このIDを非表示/違反報告)
* 森さん@tear *(プロフ) - こんばんは!いつも楽しく読ませていただいてます。アンケートですが、1がいいです! (2018年1月9日 20時) (レス) id: a504df0074 (このIDを非表示/違反報告)
月影愛梨(プロフ) - アンケートですがワンです! (2018年1月9日 18時) (レス) id: a85507e01d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ミカミカ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/mei1127/
作成日時:2017年1月4日 22時