16日目そのさん ページ19
「ただいまー」
ふー、と大量のジュースのはいったビニール袋を下す。
「おかえり、A」
帰ってくるとお兄ちゃんとコナン君が玄関にいて、まっててくれてたのかな?と首を傾げた。
そんな様子のAにコナンも首を同じように傾げた。
「どうしたの?Aねえちゃん」
「ん・・・?いや、なんでもない」
さすがに待ってるわけないか。
たまたまだよね、うぬぼれすぎちゃったなーと苦笑する。
「いっぱいかったね」
お兄ちゃんは片手で袋をひょいっと持ち上げる。
「うん、この際だから買いだめしておこうかな、と思って」
3人もいるし、飲み物なんてすぐになくなっちゃうよね、とおもっていろいろ買ってきたのだ。
あ、でも、お兄ちゃんは明日帰るんだよね・・・
そしたら二人だなーと考えを巡らせる。
袋の中のジュースをみてお兄ちゃんはふとおもいだしたように尋ねる。
「・・・そういえば、
太郎君はいつまでいるの?」
「…え?」
「いや、随分と住み慣れてるみたいだし結構長い間いたんじゃないの?」
預かるっていつまで?とお兄ちゃんは不思議そうにきいてきた。
「いつまでって・・・」
いつまでなんだろう。
いつかいなくなることはわかってた。いなくならないでほしい。そう思ってもいつ戻るかなんてわかんないし、来たのも突然、なら帰るのも突然なのかな。
お兄ちゃんとはいつでも会えるけど、コナン君とはもう絶対に会えない。
この生活が長くは続かないことはわかっていた。
それでも、いつかえるか、なんて考えはしなかった。
帰らないでほしい、続いてほしい、と思っていたけど、そんなに深くは考えなかった。
いや、考えないようにしていたんだ。
毎日を充実させることで、考える暇もなくしてたんだ。
いつか、帰ってしまう。
それはもっとずっと後のことなのか、それとも、もうすぐなのか。
そう考えると前に夢に見た時よりも鮮明に想像できそうで怖くなってしまった。
「A……?」
「……か、ない。
わか…ん、な…い…」
「A姉ちゃん…?どうしたの?顔色悪いよ?」
心配そうにそばにくるコナン君に「なんでもないよ」と笑顔をみせて、立ち上がり、ごはんつくるねーと台所にむかった。
「A・・・」
聞こえるか聞こえないか程度の声でポツリとAの名前をよぶコナンと、コナンとAの後姿を寂しそうに笑う真。
終わりはそう、遠くない。
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ニッチ(プロフ) - 初めまして!とても面白かったです!キュンとして切ない感じが良いです!番外編とか見てみたいなって、ちょっと思いました! (2018年7月6日 4時) (レス) id: 82d03a44e1 (このIDを非表示/違反報告)
ミカミカ(プロフ) - * 森さん@tear *さん» ありがとうございます!楽しく読んでもらえて嬉しいです(*^^*)了解しました! (2018年1月9日 20時) (レス) id: 53b155e8d7 (このIDを非表示/違反報告)
ミカミカ(プロフ) - 月影愛梨さん» 了解しました! (2018年1月9日 20時) (レス) id: 53b155e8d7 (このIDを非表示/違反報告)
* 森さん@tear *(プロフ) - こんばんは!いつも楽しく読ませていただいてます。アンケートですが、1がいいです! (2018年1月9日 20時) (レス) id: a504df0074 (このIDを非表示/違反報告)
月影愛梨(プロフ) - アンケートですがワンです! (2018年1月9日 18時) (レス) id: a85507e01d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ミカミカ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/mei1127/
作成日時:2017年1月4日 22時