16日目 ページ17
コナン君side 16日目
「俺は佐藤真だよ」貼り付けた笑みを浮かべ、手を差し出す姿はよろしくするきないだろ、と思った。
仕方なく握手に応じると、小学生にむかって大人げなさすぎるほど力強く握られ顔をしかめた。
Aには見えないように、黒い笑顔を浮かべるAの兄は口角こそ上がっているものの、目は狂気で満ち溢れた凍てつく鈍い光をともっていた。
「ちょ、ちょっと!コナン君の手がギリギリなってるんですけど・・・!?」
長い握手にストップをかけたAにAの兄はすぐに笑顔に戻り「いやあ、太郎君が可愛くってさ、つい」と屈託ない笑顔で言うが、絶対嘘だろ・・・と苦笑いをこぼす。
「真お兄ちゃんっていくつなの?」
「18だよ」
爽やかな笑顔でこたえるAの兄の雰囲気からは穏和な感じではなく、お兄ちゃんと呼ぶなと言わんばかりの黒いオーラを放っている。
そんな姿をAは知ってか知らずか、お菓子を食べながらテレビを見ていた。
「ところで太郎君。君は好きな女の子とかいるのかな?」
「…い、いないよ」
「いやいや、小学一年生にもなれば好きな子の一人や、二人はいるだろう?」
「そ、そういう真お兄ちゃんは・・・?」
「俺はいるさ、その子が生まれてからずっと好きなんだよねー」
Aのこといってる、ということはすぐに気づいた。
こいつ、シスコンというか、普通にAが好きなのか?と思いつつ「へー、真お兄ちゃんならすぐに付き合えそうだね」という。
「俺も付き合いたいんだけど、鈍感だからさ、そのこ」とAをチラ見する。
「へ、へえー・・・」家族だろ?と不信に思いつつも心の中だけで止めておく。
「でもね、その子に合いに来てみれば変な虫がついてるんだ。俺はずっと守ってきたのに、まさかこんな小さい虫がつくとは思わなかったよ。」
「・・・そうなんだ。」
小さな虫が自分のことだと気づくのは遅くはなかった。
「その子のそばにいる男は何歳であろうと憎いね。さっさとその子の前から存在や記憶事消してしまいたいぐらいだ」
重度すぎるだろ、と呆れつつお菓子を食べているとAの兄が「A、ジュースがきれたから買ってきてくれないか?」といった。
Aは珍しい・・・という顔をしながらも「わかった」といって買いに行く。
Aがあけた玄関が閉まったとき、俺はこの男とふたりきりになるのだと今更ながら理解した。
「ぼ、僕もA姉ちゃんと一緒に・・・」
そう言って立ち上がる俺の手をAの兄はガシっとつかむと「太郎君はいかなくていいよ」と笑顔でいった。
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ニッチ(プロフ) - 初めまして!とても面白かったです!キュンとして切ない感じが良いです!番外編とか見てみたいなって、ちょっと思いました! (2018年7月6日 4時) (レス) id: 82d03a44e1 (このIDを非表示/違反報告)
ミカミカ(プロフ) - * 森さん@tear *さん» ありがとうございます!楽しく読んでもらえて嬉しいです(*^^*)了解しました! (2018年1月9日 20時) (レス) id: 53b155e8d7 (このIDを非表示/違反報告)
ミカミカ(プロフ) - 月影愛梨さん» 了解しました! (2018年1月9日 20時) (レス) id: 53b155e8d7 (このIDを非表示/違反報告)
* 森さん@tear *(プロフ) - こんばんは!いつも楽しく読ませていただいてます。アンケートですが、1がいいです! (2018年1月9日 20時) (レス) id: a504df0074 (このIDを非表示/違反報告)
月影愛梨(プロフ) - アンケートですがワンです! (2018年1月9日 18時) (レス) id: a85507e01d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ミカミカ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/mei1127/
作成日時:2017年1月4日 22時