ある日うちにやってきたコナン君。

11日目 ページ12

夢を見た。これは、一番見たくなかった夢。

コナン君が帰ってしまう夢。

「A…A！！」
誰かの呼ぶ声がする。でも、もう、いい・・・

すこし開けた目から眩しい日差しが入ってきて、もう朝なんだ、と気づく。
体を起こすと頬には冷たい水がついていて、それを手で拭う。

目の前には心配そうにみつめてくるコナン君。
夢か・・・よかった。とホッと胸をなでおろす。

「オメェ急にどうしたんだよ、なんか変な夢でもみたのか？」

「…」

無言でコナン君に抱き着く。私よりも全然小さな体で、でも無駄な脂肪は少なくて、男の子なんだって思った。
コナン君は戸惑いながらも受け止めてくれる。

こんな小さな体で、今まで犯人と戦ってきたのだろうか。
誰かを守ってきたのだろうか。
その痛みはそういう世界とかけはなれてる私には計り知れないものなんだろう。

そう思うと、やっぱりコナン君は安全なここで暮らしてほしい。

不器用に優しく背中をさすってくれるコナン君に「いやー、ところてんに食べられる夢を見たよー」
怖かったー、と誤魔化す。

「なんだよそれ」とコナン君は優しく笑う。

いつまでも先のわからないことを気にしててもしょうがないよね。
もう、気にしない。

先がわからないなら、今を大切にしよう。

「朝ごはんにしよっか」
ベットから降りて今日は休日だ、どっかいこうかな、なんて考えながら朝食の支度をする。
いまのうちに、いっぱい思い出をつくろう。

「ねえ、コナン君…コナン君は蘭さんと付き合ってるの？」
朝食を食べ終え、お茶を飲んでいるコナン君に質問をなげかける。

原作ではロンドンで付き合ってたんだっけ？最近はまりだした私は名探偵コナンの世界がいまいちわからない。
アニメ派なので時系列はバラバラ。

コナン君は飲んでいたお茶を噴出してむせた。
「つ、付き合ってねーよ」と顔を真っ赤にさせていうコナン君になんとなく、寂しい気持ちになってしまう。

やっぱり非リアとリア充だからなのかなー
私ってリア充爆発しろなんて思うほどひねくれてないと思ってたけど、はははと乾いた笑いをする。

「蘭は、幼馴染だ」

「またまたー」

「いや、本当に幼馴染なんだって」

え、どうして？コナン君は幼馴染の蘭さんが好きで蘭さんもコナン君(新一)が好きだったはずだ。でもこの様子を見ると嘘をいつているようには思えない。

コナン君は蘭さんをすきで、蘭さんもすき。二人は両想いで付き合ってる。
わかってる、コナン君はいつも蘭さんを守ろうとしていた、そうだよね。

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