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由乃side(ゲームのプロローグ)
弁慶「大丈夫か、おい！ 血ぃ止まってねぇだろうな？ 呼吸は正常か！？」
(今度はすごい勢いで心配された！？)
由「だ、大丈夫です！ご心配なく！」
弁慶「、、そうか、ならいい」
さっきまで鋭かった眼差しが、安心したようにふっと緩む。
(あれ、、？さっきは怖いと思ったけど、今はあんまり怖くない？)
与一「おいおい、弁慶。仮にも俺たち大事なお仕事の最中よ？」
与一「与一さん、こんな時に女と遊んでんのはどうかと思うね」
弁慶「遊んでねえ！女一人でこんな場所にいるから、気になって声かけただけだ」
与一「ほほー？そりゃまあ、この状況じゃ怪しいわな」
与一「んで、あんたはどっか行く途中だったわけ？」
由「あ、、はい、鎌倉へ」
由「治安がいいと聞いたので、少しくらい到着が遅くなっても大丈夫かなって油断しちゃいました」
由「なんと言っても、あの源頼朝様が幕府を開いている町ですし！」
弁慶、与一「、、、、、、」
(ん？二人とも黙り込んじゃったけど)
与一「頼朝様、ね。まー、民にはえらい人気だよな」
由「政の腕もお人柄も素晴らしい方だって噂ですよね」
(今年、朝廷から征夷大将軍に任命されたんだっけ。私みたいな庶民には雲の上の存在だ)
弁慶「はっ。どうだかな」
由「え？」
弁慶「こういう噂は聞いたことねえか？ーー源頼朝は、実の弟である源義経を殺したってな」
弁慶「平氏との戦で前線に立った英雄は義経様だったのにも関わらずだ」
由「そう、なんですか？」
(だとしたら、兄弟で殺し合うなんて何があったんだろう)
何故か脳裏にお兄ちゃん達の顔が出てくる
(それに、、。弁慶さん、何か怒ってる、、？)
与一「まーまー、弁慶。その辺にしとけ」
戸惑っている私に与一さんがへらりと笑いかけた。
与一「あんた、鎌倉に行くんならそろそろ急いだ方がいいんじゃねーの？」
由「あ、、そうですね。あの子も連れていこうかな、心配だし」
弁慶「あの子？」
由「小狐です。怪我してるのを見つけて手当てしたんですよ」
草陰に歩み寄り小狐を抱き上げる。
弁慶「その狐は、、！」
(な、何？ただごとじゃない感じだけど、、)
弁慶「ーー与一」
与一「おー。まさか、こんな近くに潜んでやがったとはな」
由「何の話、、？この子が、どうかしたんですか」
与一「俺達、その狐を探してたんだわ。っつーわけで、こっち渡してくれるか？」
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作者名：ミキ | 作成日時：2022年9月1日 23時
