1人のレディ-f.t- (ページ7)

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Story.57 ページ7

【翌日】

結局話せなかった。でも本気で昨日のうちに
話しておけばよかったと後悔する。

朝いつも通りAを起こして、朝食に身支度をしながらも

いつAが酷い目に遭うか心配で…

「お嬢様、、、。」

「もお、時間無いんでしょ？早く髪結んでよ〜」

俺がコテで巻いたAのくるくるの髪をまとめるんだけど

鏡越しで伝わるAから不安そうに

見つめられる。

昨夜の事を気がついたのかAから

「私、覚悟してるよ？強くなるもん。
ママが言ってたでしょ？執事を大切にしてあげてって。

私、辰哉のこと本当に大切だって思ってるし、辰哉の望む通りの
お嬢様になるために変わるもん。

素敵なレディにするって言ったのは辰哉でしょ？

じゃあ私はその辰哉の悩む『何か』に対抗できる覚悟のある

お嬢様にまずなるから」

Aはだいぶ変わってた、最初引っ込み思案なお嬢様だったのにいい意味でわがままなお嬢様になってる。

強くなってる。その強さをもっと引き出せるように
するのも俺の仕事。

「もぉ、早く髪結んでよお〜真っ白なおててさん？」

と言って俺の手にチョンチョンって触れるA

「……あっ、ごめんごめん早くセットするね」

とにかく、お嬢様をお守りする。Aを守る。

これに尽きる。

.

ぎこちない空気が学校中に流れる。

『ねえ？本当に私の気持ちわかってる！？』

『分かろうとも思わねえし俺は○○さましか…』

『ねえ？それでもあんた執事？』

『はぁ……』

さすがに仲のいいあかりちゃんでさえ

「大丈夫？？？」

『もう、、、無理。やっぱり私康二じゃなきゃ……』

こんなの辛すぎる。あかりちゃんはもちろん、いくら私の事酷いことをしてきた人達だとしてもこんな空気みんな嫌に決まってる。

それに、、、何かと引っかかる辰哉の悩む『何か』

私がお嬢様辞めたいと思うほどのことを知っているんだよね？。

私は正直なんなのか分からない………

でも少なくとも言えるのはりりぃさまは関わってる。

昨日みんなのために戻してと言っても戻してくれず……

もしかして、、辰哉とりりぃさまに、、、、？

なんてことは何となく分かった。

でもハッキリ辰哉とりりぃさまの関係なんて知らない。

というか関わりなんてないと思ってたから。

もしかして。

りりぃさまがいう大好きな執事ってなって欲しかった執事って

辰哉……？