四ページ目 友達もどき ページ8
｢Aさーん、秋さんって人が呼んでるよー。｣
クラスメートに呼ばれて廊下に出てみれば、微笑みを称えた秋さんが立っていた。
｢あ、秋さん。どうしたんですか？｣
昨日私はサッカー部のマネージャーになり、秋さんの手伝いを主にすることになった。
｢あ、Aちゃん、明日放課後にジャージで部室に来てほしいの。ドリンクの用意とか一通り教えたくって。｣
｢あ、はい、分かりました。｣
確かに私はそのような件については素人でしかないし、正直サッカーのルールも球を蹴ってゴールに入れるとしか知らない。
だから詳しいことを教わって素人でも役にたたなくちゃ。
｢じゃ、バイバイ。また明日ね。｣
｢はい、また明日。｣
本当に秋さんしっかりしてるなぁ。
私と同じ二年生って思えないよ。
秋さんの後ろ姿を見送った後席に着くと、私の後ろの席の由美が声を掛けてきた。
｢ねぇA、あんたサッカー部に入ったって本当？｣
｢本当だけど、どうして？｣
｢クラスLINEで有名人になってるわよあんた。あんたみたいな陰キャがサッカー部に入った何てね。｣
む、少しその言い方は腹が立つな。
｢絶対運動が下手くそなあんたより私の方が必要よ。後あんた男好き？皆言ってるわよ。｣
勝手にああだこうだ言いやがって。
男好きなのはそっちだろ。
体力は私以下だし、いつも私の容姿見下して来るけど間違いなく私の方が可愛い。
｢ふーん、皆って誰？｣
｢だから皆だよ。後、そんなこと次行ったら一緒に登校してやんかいから。｣
脅しに出る気か。
悪いけどあんたと違って私は二重だし鼻は小さいし色は白いから。
｢そうなんだ、別に良いよ。｣
露骨に由美の表情が揺らぐ。
だからこいつは嫌いなんだ。
いつまでも私が味方だと思うなよ。
｢えっ、ちょ。｣
｢おいおい、何やってるんだよ。｣
隣を見れば私の机に円堂が寄りかかっている。
｢喧嘩か？喧嘩は良くないぞ。｣
そういや同じクラスだったっけ。
ずっと忘れてたわ。
｢あ、円堂君。Aったら酷いんだよ。｣
何時も何時も男にほいほい媚売りやがって。
面道事増やすなよ。
｢へぇ、そうなのか。｣
一方円堂は由美の事など気にしてもいない模様。
｢まぁそんなこと置いといて、A、明日から頑張ろうな！｣
｢えっあっはい。｣
しどろもどろの答えになっちゃった。
絶対嫌われるよこれ。
｢じゃあまた部活でな！｣
席に戻る円堂を見送ると、由美は何だか悔しそう。
ざまぁみやがれ。
今日の日記
由美がうぜぇ。
黙ってろよ少しは。
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作者名：飴 | 作成日時：2019年8月31日 21時
