今日のディナーはチョコレート2

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「…何かあったんすか？」


ぽんぽんと頭を撫でながら耳元で聞こえる声は優しかった。



だからお前に会いたかったって言ってんだろ


って心の中のわたしが言う。

もっと可愛く、女の子らしく、言葉にできたらいいのに。




「Aさーん、起きてます？いや息してる？」

「してるわアホ」

「おお、生きてた」

「廉」

「麺？食ってきたんすよね？」

「麺じゃない！れーーーん！！！廉！！！永瀬廉！！！」

「ああ、廉か。Aさん意外と良く食べるからもうお腹すいたのかと」






・・・はぁ。



「え？Aさん、」

「本当空気読めない！離せクソガキ」

「クソガキってそんな変わんないじゃないすか」



ヒールを脱いでリビングに直行。

後ろからなんだかブツブツ言ってる声が聞こえてる。




廉に好きだって言われたって伝えたら

ヤキモチ焼いてくれるかななんて

そんな遠回りをしようとしたわたしが一番アホだった。



「お風呂入る」

「もう冷めてます！」

「なんで」

「いやいつ帰ってくるかわかんなかったんで」

「気が利かない男」

「分かったらエスパーっすよ！？あ、Aさんもう帰ってくるな！お湯沸かすか！って！怖くないっすか！？ストーカーっすよ！？」

「あーもう！うるさいな！」



正論言いやがって





「なに苛々してんすか。さっきは可愛かったのに」


ため息をつきながらだるそうにお風呂場に向かう岸優太。



クソガキ

この野郎

なんなんだよ




可愛くいたいよ、誰よりも。




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