今日のディナーはチョコレート2

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「きてぃ〜〜」

「え？廉？何してんだよこんなとこで」

「Aちゃんと飯食っとってさ〜」

「Aさん？」

「そう。ラーメン行ってきてん！な！あれ、Aちゃん？」



棚と棚の間に隠れて二人の会話を盗み聞きしているのはわたし。

べらっべら喋りやがってお喋り関西人……！



いやなんで隠れてるんだわたし。

岸優太に罪悪感なんて感じないって数時間前に言ってたのはどこの誰だ。

わたしが廉とラーメン行こうがスーパーに来ようが別になんだっていいじゃないか。




「こんにちは岸優太くん。お買い物？」

「……何キャラっすか」

「きてぃんちとAちゃんち近いんやって！きてぃ知らんかったやろ？」



お願いだから黙ってくれ。



「Aさん家どこなんすか？」

「え、あっち。犬小屋みたいなアパート」

「はっは！犬小屋って！Aちゃんのイメージ合わへんな」

「友達の家だからね」

「あー！そういや言ってたな！友達んち犬小屋ってさすがやわAちゃん！」



そう言って廉は笑いながらわたしの肩に手を回した。

まるで俺たち親友、みたいな感じで馴れ馴れしく。



「Aさん、いつまでこの茶番続けるんすか？」

「へ？」

「帰りましょう。じゃーな、廉」




岸優太は肩に回された廉の手を嫌味ったらしくゆっくり外して、わたしの手を掴んだ。

なんか嫌な予感がする。




「は？は？何やってんきてぃ」

「言ってなかった？Aさん、俺の家に住んでるから」

「…………は？」





状況が把握できてない廉をその場に置き去りにして、引っ張られるがままにスーパーを出た。



ああ誰かこの男を止めてくれ。




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