今日のディナーはチョコレート2

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「Aさん！今日夢にAさん出てきたんすよ！」

「朝からうるさいな」

「夢の中も可愛かったっす」


わたしが焼いた朝食の目玉焼きを頬張りながら、岸優太の目は輝いていた。

口開けて気持ちよさそうに寝てたと思ったらわたしの夢を見てたのか。



「Aさんも夢に俺出てきましたか！？」

「出てこない。健ちゃんの夢みた」

「うわー夢の中まで社長に勝てないんすね俺！」

「寝顔ならみた」

「俺のっすか？」

「うん。口開けてバカみたいな顔してた」

「寝込み襲うとか卑怯っすね〜〜」

「ごちそうさま」


わたしが食器を持って席を立っても岸優太は一人で喋ってる。



夜中はなんでだか感傷的になっていたけど

こいつがわたしを幸せにしてくれることはなさそうだ。



「岸優太！！！！」

「はい！」

「早く食べて。出掛けるんでしょ」

「お！乗り気っすね！行きますよ！！！」


ご飯を一気にかきこんで、美味かったーって言いながら食器を下げた。


まだどこへ行くのか決まってないんだよな。

誰にも会いたくないから近場は無理だし。



そういえば廉から連絡が来てない。

みなみに話してたらどうしよう。
でも話してたらきっとみなみから連絡が来るはず。


廉、どうか誰にも話さないでくれ……



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