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優太があたしの腕を掴んで人混みを掻き分け階段を上る。
展示物には目もくれずにただ順路の矢印の通りに進んで、あたしはついていくだけ。
優太のこの腕は何度あたしを導いてくれるのだろう。
でもその先が正解なのかは分からない。
あたしが、
あたしがしっかりしていたら夏海は…
「優太、戻ろう」
ちょうど出口に差し掛かったところで、あたしは足を止めた。
「なんでだよ」
「どこにいるのかも分からないんだよ？イルカショーみたいし！」
「バカかよ。いいから行くぞ」
再びあたしを引っ張ろうとする優太の手を振りほどいた。
「なんで分かんないの！？夏海は優太のこと好きなんだよ？花火大会だって行くんでしょ？そんな思わせぶりな事して…」
「じゃあ俺がAを好きなのはどうしたらいい？」
「そ…れは………。あたしは優太の事好きにならない、だから……」
「だからさっさと諦めろって？最初はそのつもりだったよ。顕嵐には悪いけど夏海と花火大会だって行く事にしたし」
「じゃあなんで」
「さっき思った。Aをそんな顔にさせるやつに取られてたまるかって。それだけ。ごめんなー？俺ケチな上にしつけーんだわ！！」
見た事のない優太の優しい笑顔に、何も言い返せなくなる。
「紫耀さんに直接言う。Aを弄んでんじゃねーってな！！いやそんな言い方できねーな、どうすっかな…」
「でも…」
「でもじゃねー！！行くんだよ！！！Aだって知りたいだろ？夏海は心配すんな。こんな事で俺らの事嫌いになるやつじゃねーよ。それに顕嵐がいる」
あたし達のこの恋は全員が幸せになれることなんてない。
誰かが気持ちを我慢するか全員が我慢するか。
出口へと向かう優太の背中についていく。
この選択であたしの人生も誰かの人生も変わる。
それが正解だったのかなんて誰にも分からない。
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shi_chikin6(プロフ) - この作品ほんと大好きです！ハラハラドキドキ！更新楽しみに待ってまーす♪ (2016年10月2日 0時) (
レス) id: ea69c224ce (このIDを非表示/違反報告)
ANN - 忙しいかもしれませんが、更新頑張ってください！！大好きです(笑) (2016年9月27日 16時) (レス) id: e7aa92ac41 (このIDを非表示/違反報告)
だぁりか(プロフ) - いつもこの作品楽しみにして見てます！岸くん優しすぎてもうやばいです(*_*)次の更新楽しみにしてます(*^_^*) (2016年9月25日 22時) (レス) id: 1c45e95ee3 (このIDを非表示/違反報告)
花 - 面白すぎておもわずコメントしてしまいました、平野担です！でもまさか、岸くんの「好きだよ、ここから連れ出したいくらい」(間違えてたらごめんね)にやられました。続き楽しみにしてます！頑張ってください！ (2016年9月25日 19時) (レス) id: 63b2e22316 (このIDを非表示/違反報告)
ANN - 岸くんみたいな人がいたら…(泣)他作品も切なくてminiさんの作品大好きです。更新できる限りでいいので。応援してます！ (2016年9月24日 12時) (レス) id: e7aa92ac41 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：mini
| 作成日時：2016年8月11日 0時
