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「ん!Aちゃーん!やっほー!」

「こ、こんばんは」

「食べる?」



風の通しの良い縁側で、紫耀は昨日と同じように座っていて、かき氷を食べている。

その姿になんであたし気合い入れてんだろうってちょっとバカらしく思えた。



「食べる」

「頭キーンするから気を付けてな」



ブルーハワイ。
これ食べると口の中青くなるんだよね


「風磨くんに何聞いたん?」

「え?」

「サングラス取りに行った時話したんやろ?風磨くんにさっき聞いてん。余計な事言ったかもーって言ってたからさ」



やっぱり美咲さんの所にいたんだ。



「美咲さんの事を、少しだけ…本当に少しです。なんか取っちゃったとかそんなような」

「なるほどなー」

「紫耀は美咲さんの事が好き?」

「うん、好き。どうにもならんけど」



胸が苦しい。

あたしにとって好都合なのに、どうにもならない彼の恋に涙が出そうだ。



「美咲さんはねー俺が高校ん時してたバイトの先輩で、綺麗で優しくて面白くてすぐ好きになってしまった!完璧に見えて本当は弱くて、俺が側で支えてあげたいなーって思ってた」



静かに、でもわざと明るく話し始めた。

初めて知る、本人の口から聞く紫耀の過去。



「バイト先に先輩達連れてきた俺が悪いんやけど、風磨くんも美咲さんに一目惚れしてしまったんよね。でも俺の方がずっと美咲さんを知ってたし、正直両思いちゃうかなーって思ってたから余裕ぶっこいてたんやけど!まー取られたよね!」


紫耀は立ち上がり、夜空を見上げて言った。


「もう何年経ってんねーんって感じなのに、まだ好き。アホやろ?俺」




あの時と同じ。花火大会に行けないと言った彼に抱いた感情と同じような感覚。


なんでだろう無意識にあたしも立ち上がって、紫耀を抱きしめていた。



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あーや(プロフ) - このお話本当大好きです!キュンキュンします(*^^*)これからも楽しみにしています!!! (2016年7月31日 21時) (レス) id: 5dc9787a97 (このIDを非表示/違反報告)
ゆめ(プロフ) - 続き楽しみにしてます\(^^)/ (2016年7月25日 15時) (レス) id: 759266591d (このIDを非表示/違反報告)
ゆめ(プロフ) - 思わず見入ってしまいました!青春って感じでとても好きです!続き楽しみにしてます! (2016年7月18日 2時) (レス) id: 759266591d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:mini | 作成日時:2016年7月17日 16時

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