検索窓
今日:3 hit、昨日:2 hit、合計:1,898,285 hit

039 ページ39

.




海から少し離れた公園で、顕嵐はあたしの腕を離した。


「…どうしたの」

「俺、夏海が好きなんだ」

「え?あ、うん、知ってる」

「やっぱり?気付かない奴なんて本人くらいだよな」



顕嵐は視線を地面に移して笑った。

どこか寂しげで、見ているこっちが泣きそうになってしまうような笑み。



「俺達って一方通行なんだよ」



何気なく言ったこの言葉。

夏海が優太のこと好きなのも顕嵐には分かっているんだ。



「あたしは、どっちを応援するとかできない…」

「うん、分かってる。俺は夏海が好きだけどAも優太も大事だから。4人の空気壊すくらいならずっとこのままでいいし」



そんなのだめだよ

って言葉が喉元まで出掛かったけれど止めた。


そんなこと言える権利、あたしにはない。



「ま、俺が夏海を惚れさせればいいだけの話だ」

「そ、そうですね。てかなんで急に?今、夏海と優太二人になっちゃってるよ?」

「Aが助けてって言ってる気がしたから?あれ、違った?」

「ううん…違くは、ない」




周りをよく見ているんだな、と改めて思った。




顕嵐の言う一方通行、とはあたし含めての事なのかもしれない。



何本もの同じ方向を指差す矢印は、

いつどこで、反対を向いてくれるのだろう。



.

040→←038



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (665 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
3210人がお気に入り
設定タグ:岸優太 , 阿部顕嵐 , 平野紫耀
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

あーや(プロフ) - このお話本当大好きです!キュンキュンします(*^^*)これからも楽しみにしています!!! (2016年7月31日 21時) (レス) id: 5dc9787a97 (このIDを非表示/違反報告)
ゆめ(プロフ) - 続き楽しみにしてます\(^^)/ (2016年7月25日 15時) (レス) id: 759266591d (このIDを非表示/違反報告)
ゆめ(プロフ) - 思わず見入ってしまいました!青春って感じでとても好きです!続き楽しみにしてます! (2016年7月18日 2時) (レス) id: 759266591d (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:mini | 作成日時:2016年7月17日 16時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。