037 ページ37
.
杏仁豆腐を食べ終わり、さすがに戻らないとまずいと思ったあたし達は店を出た。
「紫耀、お金…」
「あーもうそんなんしまってしまって！格好つけさして？」
確かこういうときは素直に引き下がるのが良いってどこかに書いてあった気がする。
あたしの隣にはいつもケチ日本代表の岸優太という男がいるから、奢られるのには慣れていない。
「そういえばここ決してリーズナブルではなかったですよね」
「そうやね。でもまぁたまにはね！」
「ここ優太連れてきちゃだめだ…」
あのケチが高いイタリアンなんて…
メニューを見て焦る優太の顔が目に浮かぶ
「Aちゃんこそ好きな人おるやろ？」
「はい？」
一定のスピードで歩いていた足が止まった。
聞き間違いでなければ
今この人はあたしに、好きな人おるやろって聞いた？？
え、紫耀の事好きなのバレた？
どのタイミング？あれ今何の話してたっけ？
「目泳ぎすぎやから！」
「へ！だって！何でそんな急に！」
「ん？さっきからやたら優太優太言うから」
「あ……え…？優太？優太って岸優太？」
「あれ、ちゃうかった？」
少し先にいる紫耀が、振り返ってあたしを見るけれど、サングラスのせいで表情が上手く汲み取れない。
あたしって優太のこと好きだったの？
「って違いますよ！！！」
「あ、そーなん？でもそれ気付いてないだけなんじゃない？」
「は……？」
「早く気持ちに気付かないと、俺みたいに取られるで」
紫耀は前を向き、再びあたしの少し先を歩き出した。
置いて行かれないように少し早歩きで後をついていくと、手が触れられる程の距離に紫耀がいるのに凄く遠く感じるのは何故だろう。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 3210人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あーや(プロフ) - このお話本当大好きです！キュンキュンします(*^^*)これからも楽しみにしています！！！ (2016年7月31日 21時) (
レス) id: 5dc9787a97 (このIDを非表示/違反報告)
ゆめ(プロフ) - 続き楽しみにしてます＼(^^)／ (2016年7月25日 15時) (レス) id: 759266591d (このIDを非表示/違反報告)
ゆめ(プロフ) - 思わず見入ってしまいました！青春って感じでとても好きです！続き楽しみにしてます！ (2016年7月18日 2時) (レス) id: 759266591d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：mini
| 作成日時：2016年7月17日 16時
