恋に落ちるこの瞬間 ２ 【Y.K】

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「Aやっぱすげー衣装似合ってるよ」

『じんくんも！』



衣装に着替えればわたしたちは王子と姫。

我ながらちょっと似合ってるんじゃないかと思ってしまう程わたしにぴったりの綺麗なドレスだった。



「A！？可愛いな……」


優太はわたしを上から下までじっくりみている。


『変態』

「なんでだよ！！可愛いって褒めてんすよ！！」

「岸くん俺にも触れて」

「あ？ちゃらいな」

『じんくん1番かっこいい〜』

「おい！じんじゃなくて王子な！そしてその衣装がかっこいいだけだからな！」



じんくんを褒めると優太が面白いからついつい褒めちゃう。


「Aちゃん、神宮寺くん！もう始めるよ！」




「よーし行くかー」

「じん、A！頑張れよー」

「岸くんもな」

「え！？ああ！もちろん！！！」

『写真撮ってね』

「任せろ」




放送部のアナウンスと共に、幕が開く。


優太の言った通りたくさんのお客さんが目の前にいる。

余裕ぶってたけどやっぱり緊張するな。





わたしは眠り姫。

生まれた時に魔女がかけた呪いのせいで、15の誕生日に糸車の針が指に刺さり100年の眠りに落ちる。



主役の癖にセリフはかなり少なくて、針を刺し倒れるシーンの後はただ舞台裏にいた。

王子をやるじんくんはもちろん、舞台の写真を撮っているのか、優太の姿も見えなくて退屈な時間だ。





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