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距離 村上宗隆 ページ45

Mさんリクエスト


野球に憧れたからトレーナーという仕事を選んだ。
選手とお近づきになりたいわけではない。

夢と希望を与えてくれる選手の皆様をサポートしてみたい。と思ってやり始めた。

だから、絶対に選手に対して好意など抱かないと決めていた。


でも、無理だった。

気付いた時にはもう遅かった。
無意識に目で追ってしまう。


『村上さん…。』

私には程遠い人だ。
近いけど遠い。届きそうで届かない。

こんなことしてる場合じゃない。
そうやって自分を追い込む時間が以前よりもどんどん増えていった。


ある日、村上さんに話しかけられた。
後ろから、ぽんと私の肩に手をおいて、

「Aちゃん、大丈夫?」

と、心底心配そうな顔をしている。
そんなに大丈夫じゃなさそうに見えてしまっていただろうか。

『全然元気ですよ?なんか変ですか?』

「疲れてる顔してたから、大丈夫ならよかった。」

"疲れてる顔"
たしかに最近少し無理をしすぎていたかもしれない。

「無理しないでね。Aちゃんいなくなったら、俺困っちゃうから。」

そう言って優しく微笑んだ。
その輝きは私には眩しすぎる。


空もすっかり暗くなり、ぞろぞろといろんな人たちが球場をあとにしていた。

やりたかったことは片付けたし、私も帰ろう。

そう思い、荷物をまとめていた時だった。

「あれ、Aちゃん。まだいたんだ。」

ばったり村上さんと出会ってしまった。完全に気が抜けていた私は突然のことに慌てふためいてしまった。

『む、村上さん…!おつかれ様です。』

ぺこりとお辞儀をしてから、そそくさと帰ろうと思った。

「あ、待って!」

がっと腕を掴まれた。
もちろん私なんかが敵うはずもなく、引き止められてしまった。

『な、なんでしょうか。』

二人だけの空間。なんだか気まずい空気がぴりぴりと張り詰めていた。

村上さんは大きく息を吐いた。大きな決断をしたかのようだ。

「ずっと、伝えたかったことがある。」


「良かったら、俺と、付き合ってもらえませんか。」

壁ドン 山田哲人→←甘えん坊 大城卓三



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ゆとう(プロフ) - 夜さん» こちらこそ毎回素敵なリクエストありがとうございます!非常に助かっております…!続編書くことにしました!🙂これからもよろしくお願いします!! (12月2日 14時) (レス) id: 94228774a9 (このIDを非表示/違反報告)
ゆとう(プロフ) - Mさん» ありがとうございます!😄そう言って頂けて嬉しいです!😆続編書くことにしました!これからもよろしくお願いします😀 (12月2日 14時) (レス) id: 94228774a9 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - いつも素敵な小説ありがとうございます✨ 1章完結おめでとうございます!ゆとうさんの書く小説とても好きなので是非続けて頂きたいです! (12月2日 11時) (レス) id: 56a1cf3ff0 (このIDを非表示/違反報告)
M(プロフ) - ゆとうさん» もちろんです!またぜひお願いします☺️!ゆとう様のお話毎回更新楽しみにしてるので是非続編も書いて頂けたらと思います🥰 (12月1日 23時) (レス) @page50 id: 12bc3fbac6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆとう(プロフ) - Chocoさん» リクエストありがとうございました!😁返信が遅れてしまい申し訳ございません…。期待に添えられていそうで嬉しいです😄またのリクエストお待ちしております🙌 (11月28日 6時) (レス) id: 94228774a9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆとう | 作成日時:2023年9月3日 17時

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