電話 大城卓三 ページ41
Chocoさんリクエスト
さっきからずっと楽しそうである。
彼女が少し電話に出てくるといってからもうずいぶん経った。
廊下からは絶えず笑い声が聞こえてきている。
リビングのドア越しから少しだけ会話を盗み聞きしてみる。
『あはは、じゃあ今度遊びに行きます?和真さん。』
電話の向こう側の声は聞こえない。
けれど誰だかもうわかった。
俺と同チームで、侍でも一緒に戦った。
岡本和真である。
俺の知らない内に仲良くなって、しかも遊びに行く約束までしている。
少し、というか、だいぶ腹が立つ。
内臓の奥の奥から怒りという名のどす黒いものがふつふつと湧き上がっていた。
俺はがちゃりとドアを開ける。
目をまんまると大きく開いたAが振り返る。
『あ、れ?卓三…?』
動揺を隠せないA。
そんな彼女の手からスマホをぱっと奪い取る。
俺より背が低いから手を伸ばしても簡単には届かない。
『ちょ、ちょっと、返してよ、』
じたばたと俺の下で暴れているAを片手で抑え、
「あー、和真?Aと二人でだなんて遊びにいかせねぇよ?」
いつもより、少し低くなった声で電話の向こう側の相手を威圧する。
ぶちっと電話が切れる直前に焦ったような声が少しだけ聞こえたような気がした。
『え、た、卓三?』
困惑と動揺が彼女の中で入り混じっている。
そんな様子を見て俺の中の独占欲が爆発した。
少しでも握ったら折れてしまいそうな彼女の腕をぐっと掴み、俺の胸へ押し付ける。
ぐしゃぐしゃとさらさらした髪の毛を強引に撫で回した。
彼女は押し付けられて息苦しそうな様子である。
そこに追い打ちをかけるかのように彼女の唇にチュとキスを落とした。
いつもより長く、長く。
Aがどんどんと叩いてきたのでゆっくり彼女の口から顔を離した。
『っはぁ…。た、くみ?』
彼女は息を上げていた。
「俺の知らないとこで仲良くなんなよ。」
「不安になっちゃうだろ?A。」
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ゆとう(プロフ) - 夜さん» こちらこそ毎回素敵なリクエストありがとうございます!非常に助かっております…!続編書くことにしました!🙂これからもよろしくお願いします!! (12月2日 14時) (レス) id: 94228774a9 (このIDを非表示/違反報告)
ゆとう(プロフ) - Mさん» ありがとうございます!😄そう言って頂けて嬉しいです!😆続編書くことにしました!これからもよろしくお願いします😀 (12月2日 14時) (レス) id: 94228774a9 (このIDを非表示/違反報告)
夜(プロフ) - いつも素敵な小説ありがとうございます✨ 1章完結おめでとうございます!ゆとうさんの書く小説とても好きなので是非続けて頂きたいです! (12月2日 11時) (レス) id: 56a1cf3ff0 (このIDを非表示/違反報告)
M(プロフ) - ゆとうさん» もちろんです!またぜひお願いします☺️!ゆとう様のお話毎回更新楽しみにしてるので是非続編も書いて頂けたらと思います🥰 (12月1日 23時) (レス) @page50 id: 12bc3fbac6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆとう(プロフ) - Chocoさん» リクエストありがとうございました!😁返信が遅れてしまい申し訳ございません…。期待に添えられていそうで嬉しいです😄またのリクエストお待ちしております🙌 (11月28日 6時) (レス) id: 94228774a9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆとう | 作成日時:2023年9月3日 17時