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牽制 甲斐拓也 ページ39

夜さんリクエスト


寒空の下、私はゆったりとマフラーを巻き、待ち合わせ場所の壁によりかかる。

今日は拓也との久しぶりのデートである。

デートと言っても一緒に買い物に行ったり、ご飯食べに行ったり、目的は特に決まっているわけではない。

いつもその場で決めている。



「お待たせ。」

スマホを眺めていた顔をぱっと上げると、少し息を切らした拓也がいた。


それに、なんだか不機嫌そうな顔である。

すると、拓也の後ろからぴょこっと人が現れた。


『ろ、朗希くん?!』

朗希くんは拓也と真逆の顔をしている。
口角は上がりに上がっており、目をきらきらと輝かせている。


「ごめんA、こいつ勝手についてきちゃって。」

拓也が面倒くさそうな顔で朗希くんを見ている。

「ひどいなぁ〜甲斐さん。俺を迷惑扱いしないでくださいよぉ〜。」

「お前なぁ…。せっかくAとの時間だったのに…。」

そこから、論争が始まってしまった。


「いいですか、甲斐さん。俺とAさんは友達なんです!」

友達と一緒にいて何が悪いんだというのが朗希くんの主張であり、

「俺はAの彼氏だ。しかも先に約束してたのも俺!」

急についてきたやつがでしゃばるなというのが拓也の主張である。

二人の言い争いは止まらない。

周りの人の視線が痛い。
だんだんといたたまれなくなってきた。


拓也の肩をちょんちょんとつつき、

『…拓也、そろそろ行かない?』

と、言った。
すると、拓也はくるっと振り返り、


「Aとの時間なんだからこいつに邪魔されるわけにはいかないの!」

と、私に向かって言い放った。

圧がすごくて、私はなにも言えなくなってしまった。

でも、私のためにここまで争ってくれることが少し嬉しかった。

そして、ギラッとした目で朗希くんを睨み返した。

「お前がなんと言おうと俺は絶対に二人きりで行く。」


「Aは俺のだ。誰にも渡さない。」

連絡 湯浅京己→←カッター 今永昇太



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ゆとう(プロフ) - 夜さん» こちらこそ毎回素敵なリクエストありがとうございます!非常に助かっております…!続編書くことにしました!🙂これからもよろしくお願いします!! (12月2日 14時) (レス) id: 94228774a9 (このIDを非表示/違反報告)
ゆとう(プロフ) - Mさん» ありがとうございます!😄そう言って頂けて嬉しいです!😆続編書くことにしました!これからもよろしくお願いします😀 (12月2日 14時) (レス) id: 94228774a9 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - いつも素敵な小説ありがとうございます✨ 1章完結おめでとうございます!ゆとうさんの書く小説とても好きなので是非続けて頂きたいです! (12月2日 11時) (レス) id: 56a1cf3ff0 (このIDを非表示/違反報告)
M(プロフ) - ゆとうさん» もちろんです!またぜひお願いします☺️!ゆとう様のお話毎回更新楽しみにしてるので是非続編も書いて頂けたらと思います🥰 (12月1日 23時) (レス) @page50 id: 12bc3fbac6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆとう(プロフ) - Chocoさん» リクエストありがとうございました!😁返信が遅れてしまい申し訳ございません…。期待に添えられていそうで嬉しいです😄またのリクエストお待ちしております🙌 (11月28日 6時) (レス) id: 94228774a9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆとう | 作成日時:2023年9月3日 17時

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