マドンナ 佐々木朗希 ページ36
ぽかりさんリクエスト
俺のクラスにはマドンナがいる。
綺麗で、笑顔が可愛くて、でもどこか抜けていて。
みんなの心を掴むのがとてもうまい。
俺みたいなやつは話しかけられない。
いや、でも一度だけ、話したことがあった。
修学旅行の班行動で少しだけ。でもそれしかない。
俺が住むエリアに、彼女のような可憐な花は似合わない。
でも、好きで好きで仕方がない。ずっと前からこんな状態だ。
放課後、誰もいない教室でただ俺一人、ぽつんと席に座っていた。
『なーにしてんの。』
後ろから突然Aさんが現れた。
俺の体はのけぞり、ひっくり返りそうになる。
「…Aさんこそ、な、にしてるんですか。」
『私?なーんか家帰りたくないから教室でも行こうかなって。』
そしたら朗希くんがいたんだよーなんて楽しそうに話している。
きっとみんなが惹かれるのはこの顔なんだろうな。
『じゃ、お邪魔しました〜。』
と、颯爽と帰っていく。
なんだかとてもさみしくて、俺は不意に彼女を引き止めたくなった。
「Aさん!」
びくっとなって彼女は少し目を見開いてこちらを振り向く。
今しか、チャンスはない。そんな言葉が強く浮かび上がってきた。
「あ、えと、その。ず、ずっと前から。」
Aさんはどきっとしたような、少し期待を孕んだ目をこちらに向ける。
「えと、なんていうか。」
でも俺の口から"好き"の二文字がなかなか出てこなかった。
ずっとあの、えと、の繰り返しである。
『朗希くん、もしかしてさ、私のこと好き?』
俺の心臓がどきりと大きく跳ね上がる。
Aさんに心臓ごと掴まれているような、そんな感覚である。
俺は大きく息を吸って、目を見開く。
「ずっとAさんのことが、す、好きでした!」
「よかったら俺と、つ、付き合ってもらえますか。」
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ゆとう(プロフ) - 夜さん» こちらこそ毎回素敵なリクエストありがとうございます!非常に助かっております…!続編書くことにしました!🙂これからもよろしくお願いします!! (12月2日 14時) (レス) id: 94228774a9 (このIDを非表示/違反報告)
ゆとう(プロフ) - Mさん» ありがとうございます!😄そう言って頂けて嬉しいです!😆続編書くことにしました!これからもよろしくお願いします😀 (12月2日 14時) (レス) id: 94228774a9 (このIDを非表示/違反報告)
夜(プロフ) - いつも素敵な小説ありがとうございます✨ 1章完結おめでとうございます!ゆとうさんの書く小説とても好きなので是非続けて頂きたいです! (12月2日 11時) (レス) id: 56a1cf3ff0 (このIDを非表示/違反報告)
M(プロフ) - ゆとうさん» もちろんです!またぜひお願いします☺️!ゆとう様のお話毎回更新楽しみにしてるので是非続編も書いて頂けたらと思います🥰 (12月1日 23時) (レス) @page50 id: 12bc3fbac6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆとう(プロフ) - Chocoさん» リクエストありがとうございました!😁返信が遅れてしまい申し訳ございません…。期待に添えられていそうで嬉しいです😄またのリクエストお待ちしております🙌 (11月28日 6時) (レス) id: 94228774a9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆとう | 作成日時:2023年9月3日 17時