ドライヤー 牧原大成 ページ34
滴る髪。
水滴は私の頬、体を通って床のしみとなった。
寒い。冷たい外気、すっかり冷めた私の髪。
早く乾かさないと風邪を引いてしまいそうなほどだった。
でも、動きたくない。
乾かさなければいけないことはわかっているのに。
足が動かない。動いてくれない。
私は雑に部屋着に着替えてぼふっとソファに倒れ込んだ。
「うわ、お前びしょびしょじゃん。」
いつの間に私の後ろにいた大成が話しかけてきた。
「早く乾かさないと風邪引くぞ。」
『分かってるよ。でも動きたくない。』
少し駄々をこねると大成は呆れたようにため息を大きくついた。
「ドライヤー持ってきてやるから、待っとけ。」
大成は優しい。
こんだけわがままな私に何も言わずにただただ付き合ってくれる。
「あいよ、ほら座れ。乾かすから。」
ドライヤーを持った彼が現れた。
私はむくりと起き上がり、背もたれにだらんと体重をかける。
温かい風が優しく私にふりかかる。
大成の手付きは驚くほどに繊細で、私の髪がさらさらととけていった。
「かゆいところはございませんかー。」
変に間延びした彼の声が耳に届く。
それがおもしろくって、ふふと自然と声が出てしまう。
『ないでーす。』
私も美容院ごっこにのっかる。
こんな何気ないひとときが至福である。
いつの間にか電源が切られていた。
それでも彼は今だに私の頭をなでていた。
彼の手付きに合わせて私の髪は揺れている。
『?大成?』
私が問いかけても彼は無言のままだ。
少し気まずいような変な空気が私を包んだ。
「ほんときれいな髪してるな。Aは。」
「ずっと触ってたいぐらいだよ。」
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ゆとう(プロフ) - 夜さん» こちらこそ毎回素敵なリクエストありがとうございます!非常に助かっております…!続編書くことにしました!🙂これからもよろしくお願いします!! (12月2日 14時) (レス) id: 94228774a9 (このIDを非表示/違反報告)
ゆとう(プロフ) - Mさん» ありがとうございます!😄そう言って頂けて嬉しいです!😆続編書くことにしました!これからもよろしくお願いします😀 (12月2日 14時) (レス) id: 94228774a9 (このIDを非表示/違反報告)
夜(プロフ) - いつも素敵な小説ありがとうございます✨ 1章完結おめでとうございます!ゆとうさんの書く小説とても好きなので是非続けて頂きたいです! (12月2日 11時) (レス) id: 56a1cf3ff0 (このIDを非表示/違反報告)
M(プロフ) - ゆとうさん» もちろんです!またぜひお願いします☺️!ゆとう様のお話毎回更新楽しみにしてるので是非続編も書いて頂けたらと思います🥰 (12月1日 23時) (レス) @page50 id: 12bc3fbac6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆとう(プロフ) - Chocoさん» リクエストありがとうございました!😁返信が遅れてしまい申し訳ございません…。期待に添えられていそうで嬉しいです😄またのリクエストお待ちしております🙌 (11月28日 6時) (レス) id: 94228774a9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆとう | 作成日時:2023年9月3日 17時