お弁当 中野拓夢 ページ33
オタ女さんリクエスト
私の彼氏は特段にかわいい。
毎日、お昼を一緒に食べるとき毎回「A先輩!」ってにこにこした顔で教室に来てくれる。
ご飯を食べるときの顔も、話しかけてくるときの仕草も、すべてがかわいいと思える。
「A先輩!お昼食べましょ!」
授業の終わりの合図が鳴った頃だった。
鳴ったばかりだというのに彼はもう私の教室に着いている。
『今行くから、待ってて〜。』
口角が上がりそうなのを我慢し、冷静なフリをする。
弁当箱を持って彼が待つ、屋上へと足を運んだ。
扉を開けるとザアっと一気に青い風が吹き抜けてきた。
不思議と嫌な気分はせず、すがすがしい気分だった。
「!A先輩!」
キラキラと目を輝かせた彼が近づいてきた。
今にも尻尾や耳が見えそうなほどである。
『風、気持ちいいね。』
「そうですね。」
箱を開けながら彼と何気ない会話をする。
「A先輩の弁当、美味しそうですね。」
『いる?』
そう言うと、彼はいいんですか!?といわんばかりに顔をこちらにずいっと近づけてきた。
『はい、どうぞ。』
ゆるく巻かれた卵を拓夢の口へ運ぶ。
一瞬恥ずかしそうに顔を赤らめたけど、すぐにパクッと食いついた。
なんだかそんな仕草に自然と口角が上がってしまう。
『拓夢はかわいいね〜。』
そう口に出してしまった。
さっきまで笑顔だった顔が一瞬で曇り、感情が読み取れなくなった。
「…かわいいっていわないでください。」
「俺、先輩の前ではかっこよくいたいんです。」
高く、はつらつとした声ではなく、周りに響くような重低音。そんな声だった。
彼は今までに見たことないような表情をしていた。
目はギラギラと獲物を狙うようなものに変わっている。
「後輩だからって舐めないでくださいね。」
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ゆとう(プロフ) - 夜さん» こちらこそ毎回素敵なリクエストありがとうございます!非常に助かっております…!続編書くことにしました!🙂これからもよろしくお願いします!! (12月2日 14時) (レス) id: 94228774a9 (このIDを非表示/違反報告)
ゆとう(プロフ) - Mさん» ありがとうございます!😄そう言って頂けて嬉しいです!😆続編書くことにしました!これからもよろしくお願いします😀 (12月2日 14時) (レス) id: 94228774a9 (このIDを非表示/違反報告)
夜(プロフ) - いつも素敵な小説ありがとうございます✨ 1章完結おめでとうございます!ゆとうさんの書く小説とても好きなので是非続けて頂きたいです! (12月2日 11時) (レス) id: 56a1cf3ff0 (このIDを非表示/違反報告)
M(プロフ) - ゆとうさん» もちろんです!またぜひお願いします☺️!ゆとう様のお話毎回更新楽しみにしてるので是非続編も書いて頂けたらと思います🥰 (12月1日 23時) (レス) @page50 id: 12bc3fbac6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆとう(プロフ) - Chocoさん» リクエストありがとうございました!😁返信が遅れてしまい申し訳ございません…。期待に添えられていそうで嬉しいです😄またのリクエストお待ちしております🙌 (11月28日 6時) (レス) id: 94228774a9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆとう | 作成日時:2023年9月3日 17時