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残業 高橋奎二 ページ30

会社の窓の外は真っ暗だ。

都会の空気に負けず煌々と光っている星星がとてもきれいである。

そんな中、私は真っ白に光る画面に向かってひたすらにキーボードを叩く。
カタカタと乾いた音がオフィスに響いていた。

『はぁ…。』

口を開けばため息ばかり。

誰もいない、私一人だけ。仕事を押し付けられた。
この現状に少し涙が溢れそうだった。


すると、私の頭がファイルのようなもので叩かれた。

「よ、大丈夫か?」

『奎二…!』

同期の社員の高橋奎二。
私の数少ない心を許せる相手である。


「まーた仕事押し付けられたんだろ。」

『まじでもう最悪。無理。疲れた。』

こんなに弱音がすらすらと出てくるとは。

奎二の前だとどうしても心が緩んでしまう。

「断わんなきゃだめだって。いつも言ってんじゃん。」

『でも断ったってさ〜…。私ぐらいしかできる人いないし…。』

奎二からもらったコーヒーを飲む。

程よい苦みと酸味が舌に伝わる。冷めきった体にじんわりと溶けこんでいった。


『あ〜…そろそろやんなきゃな。』

ぐっと背伸びをして、デスクに向い直す。
やってもやっても量が減らない仕事に手を付けた。

すると、横から手が伸びてきて、

「俺も手伝うよ。」

少し照れくさそうにした奎二がいた。

『ありがとう、でも、悪いよ。奎二だって帰りたいでしょ?』

そう言うと、彼は深いため息をついた。
彼は困ったような顔をしていた。


「Aだって、帰りたいだろ?」


「俺はAを残して帰るのが嫌なだけ。これくらい手伝わせてよ。」

目移り 甲斐拓也→←敬語 高橋宏斗



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ゆとう(プロフ) - 夜さん» こちらこそ毎回素敵なリクエストありがとうございます!非常に助かっております…!続編書くことにしました!🙂これからもよろしくお願いします!! (12月2日 14時) (レス) id: 94228774a9 (このIDを非表示/違反報告)
ゆとう(プロフ) - Mさん» ありがとうございます!😄そう言って頂けて嬉しいです!😆続編書くことにしました!これからもよろしくお願いします😀 (12月2日 14時) (レス) id: 94228774a9 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - いつも素敵な小説ありがとうございます✨ 1章完結おめでとうございます!ゆとうさんの書く小説とても好きなので是非続けて頂きたいです! (12月2日 11時) (レス) id: 56a1cf3ff0 (このIDを非表示/違反報告)
M(プロフ) - ゆとうさん» もちろんです!またぜひお願いします☺️!ゆとう様のお話毎回更新楽しみにしてるので是非続編も書いて頂けたらと思います🥰 (12月1日 23時) (レス) @page50 id: 12bc3fbac6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆとう(プロフ) - Chocoさん» リクエストありがとうございました!😁返信が遅れてしまい申し訳ございません…。期待に添えられていそうで嬉しいです😄またのリクエストお待ちしております🙌 (11月28日 6時) (レス) id: 94228774a9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆとう | 作成日時:2023年9月3日 17時

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