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お酒 佐々木朗希 ページ22

ruruさんリクエスト


『ひどくない!?浮気だよ、浮気!!』

ガシャンと勢いよくビール缶を机に叩きつける。

今、俺はAの彼氏の愚痴をきいている。
もういまは彼氏じゃないらしいけど。


『あー…もうやだ。なんであんなやつと…。』

Aの愚痴を聞きながら俺もお酒に手を伸ばす。

ぬるくなっていてもう美味しくはなくなっていた。

なんでこんなことになったんだっけか。



夜遅くに突然、Aが俺の家を訪ねてきた。

暗くてはっきりとは分からなかったけどきっと彼女は泣いていた。
目がいつも以上に潤んでいた気がする。

ただ、『あげて』と一言。


そして今に至る。

Aはお酒が好きではない。
むしろ嫌いとまで言っていたような気がする。

そんな彼女がここまで飲んでいるんだ。
よっぽど彼氏を愛していたんだろう。

もう一本と伸ばした彼女の腕をぱしっと掴む。

「もうやめときな。」

彼女の瞳には零れ落ちそうな涙が溜まっていた。

さっきまであんなに騒いでいたAが急に静かになる。
そして、ふぅと一息をついた。

『私だけだったのかな…愛してたのはわたしだけ。』

誰も私なんか見てなかったんだ、とぽつりとつぶやいた。


俺だったらそんな顔させないのに。
俺だったら愛してやれるのに。

もやもやとした黒い煙のようなものが俺の中に立ち込める。


『っ…。』

彼女は静かに涙を流した。
そんな顔を見ていられなくて、俺はそっと彼女の頬を両手で包む。

「…俺にしない?」

『え、?』

困惑の色が彼女の瞳の中に揺らいでいた。
俺はもう口にブレーキがかからなくなっていた。

「俺だったらそんな顔させない。」
「Aのことだけ見るよ。」


「俺にしなよ、A。」

喧嘩 山崎颯一郎→←こたつ 翁田大勢



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ゆとう(プロフ) - 夜さん» こちらこそ毎回素敵なリクエストありがとうございます!非常に助かっております…!続編書くことにしました!🙂これからもよろしくお願いします!! (12月2日 14時) (レス) id: 94228774a9 (このIDを非表示/違反報告)
ゆとう(プロフ) - Mさん» ありがとうございます!😄そう言って頂けて嬉しいです!😆続編書くことにしました!これからもよろしくお願いします😀 (12月2日 14時) (レス) id: 94228774a9 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - いつも素敵な小説ありがとうございます✨ 1章完結おめでとうございます!ゆとうさんの書く小説とても好きなので是非続けて頂きたいです! (12月2日 11時) (レス) id: 56a1cf3ff0 (このIDを非表示/違反報告)
M(プロフ) - ゆとうさん» もちろんです!またぜひお願いします☺️!ゆとう様のお話毎回更新楽しみにしてるので是非続編も書いて頂けたらと思います🥰 (12月1日 23時) (レス) @page50 id: 12bc3fbac6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆとう(プロフ) - Chocoさん» リクエストありがとうございました!😁返信が遅れてしまい申し訳ございません…。期待に添えられていそうで嬉しいです😄またのリクエストお待ちしております🙌 (11月28日 6時) (レス) id: 94228774a9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆとう | 作成日時:2023年9月3日 17時

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