こたつ 翁田大勢 ページ21
うざったいぐらいに暑かった夏は終わり、空気がひんやりとしてきた。
上着を着ても寒い。寒さは容赦なく私の体の熱を奪い取ってくる。
秋はどこにいってしまったのだろうか。
そんな日でもこたつは最強の味方だ。
冷えて凍った体をじんわりと溶かしていく。
ぬくぬくしながらテレビを見ていると、
『つめたっ!』
彼、大勢が私の足にわざと足をくっつけてきた。
にひひといじわるっぽく口角をあげた彼の首に、こたつの外で冷えていた手で触れた。
「うわ、つめた!」
仕返し、といわんばかりに私はんべっと舌をつきだした。
「寒いな。」
『そうだね。』
大勢の話を横で聞き流しながら、みかんの皮を剥く。
白い筋が音をたてて切れていく感覚が少し、癖になる。
真っ赤に熟れた果実を口に運ぶと一つ一つが弾けて、甘さが口に広がっていった。
「って聞いとった?俺の話。」
『んーん。』
なんだよーと頬を膨らませる彼のことを少し可愛いと思ってしまった。
すると、彼は急に寝転んで顔だけがこたつから出ている状況になった。
そして、私の腰に突然抱きついてきた。
『うわ、なに、』
しばらく黙ったまんま。乾いた風が通り過ぎていく音がはっきりと聞こえる。
そして、ぼそっとつぶやいた。
「Aとのなんでもない時間が一番落ち着くわ。」
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ゆとう(プロフ) - 夜さん» こちらこそ毎回素敵なリクエストありがとうございます!非常に助かっております…!続編書くことにしました!🙂これからもよろしくお願いします!! (12月2日 14時) (レス) id: 94228774a9 (このIDを非表示/違反報告)
ゆとう(プロフ) - Mさん» ありがとうございます!😄そう言って頂けて嬉しいです!😆続編書くことにしました!これからもよろしくお願いします😀 (12月2日 14時) (レス) id: 94228774a9 (このIDを非表示/違反報告)
夜(プロフ) - いつも素敵な小説ありがとうございます✨ 1章完結おめでとうございます!ゆとうさんの書く小説とても好きなので是非続けて頂きたいです! (12月2日 11時) (レス) id: 56a1cf3ff0 (このIDを非表示/違反報告)
M(プロフ) - ゆとうさん» もちろんです!またぜひお願いします☺️!ゆとう様のお話毎回更新楽しみにしてるので是非続編も書いて頂けたらと思います🥰 (12月1日 23時) (レス) @page50 id: 12bc3fbac6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆとう(プロフ) - Chocoさん» リクエストありがとうございました!😁返信が遅れてしまい申し訳ございません…。期待に添えられていそうで嬉しいです😄またのリクエストお待ちしております🙌 (11月28日 6時) (レス) id: 94228774a9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆとう | 作成日時:2023年9月3日 17時