幼馴染 Yuma Kagiyama (ページ16)

今日:8 hit、昨日:13 hit、合計:7,528 hit

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アイスショーが終わるまで私は3つ自分の中で約束をした。

1つ目は、アイスショーに向けて真剣に練習すること。いつもは真剣にしてないってわけではないんだけど、現役復帰に向けて1個1個のジャンプやスピン、表現力とかスケーターに必要な要素をきちんと身につけれるようにするため。

2つ目は、優真と余計なことを話さない。挨拶とか世間話とかはするけど、昨日みたいなことにならないように自分のことだけに集中する。

3つ目は、アイスショーが終わったら優真とちゃんと話す。やっぱり大切な幼なじみには賛成して欲しいから本気で話し合いたい。

復帰への手続きとか難しいことはコーチがやってくれるというので私は安心して練習ができた。

コ｢(A)！最後に通して今日は終わるわよ｣

水分をとって深呼吸しながら今日コーチに言われたことを全部頭に思い浮かべる。

よし私なら大丈夫。今日1番の最高の演技にしようと思いながらポーズをとる。

流れるような音楽にのせてゆっくりと滑り出す。

冒頭の3Fを綺麗に着氷して波にのる。
最後のジャンプの3Aは今日イチの出来だったと思う。

最後のコンビネーションスピン。体幹と軸を意識して回ってフィニッシュポーズを取る。

音楽が終わった瞬間、やりきった安堵感と少し痛む腰のせいでその場に膝から崩れ落ちた。

コーチ｢(A)、凄い！前より格段にレベルアップしてるわ。｣

コーチにレベルアップしたことを褒められとりあえずのところ一安心。

コーチ｢じゃあ今日のところは、｣

終わりにしましょう。と言われる前に私は言葉を遮る。

私｢待ってください！もう少し練習してもいいですか？お願いします！｣

といって頭を下げる。

アイスショーまであとちょっと。まだ滑っていたい。もっとレベルアップしたい。

コーチは少し困った顔で私を見る。腰は少しだけズキズキするけどそんなこと言ってられない。

すると

優｢やめとけよ、せっかく迎えに来たんだから帰るよ。｣

と、リンクの入口から優真の声がした。