検索窓
今日:4 hit、昨日:0 hit、合計:14,730 hit

質問 ページ3

〜立花仙蔵〜


今日の朝会で、夜中の足音が何なのかがはっきりと分かった。



赤くて踵の細いそれは私が聴いたものと全く同じ音を奏でる。




それから、新入生が来るというのも風の噂で聞いていた。




だがしかし




「よろしくねぇ」




こんなに可愛いなんて聞いてない。




真珠の肌に、青がかった瞳、顎の高さに揃えられた黒髪はさらさらと動く度になびいていた。




目尻には赤紅が引かれていて、何処か妖しい雰囲気が漂っているが、よく見ると顔自体は幼かった。



「もしかして皆さん熱ですか?顔赤いですけど」



ハッとして数回瞬きをする。



柔らかく微笑む口は少し困り気味に言葉を紡いでいた。



「…そだ、なんか質問あったら答えるよ、折角の機会だしねぇ」



こんなチャンス滅多にない。




このチャンスを自分のものにするべく顔の横で手を挙げた




のは私だけではなかった。





「あ、あー……せんせ、どうしましょう」




この教室内にいる9割以上の生徒が手を挙げている。




これには彼女も担任も困り顔。



「…誰か1人当てればいい」



「えぇぇ、…えと、えと、じゃあ………」



踵を鳴らしながら彼女は私の…隣の前に止まった。



そこにいるのは、



「文次郎…お前…」



目の下に隈を作っている潮江文次郎だった。



私はお前を許さない。



「質問、どーぞ!…んと、潮江文次郎さん(?)だよね」



「嗚呼、質問は……その………恋人は、、いる、か?」




気恥しいのなら聞かなければいいだろう。




ほら見ろ、彼女も目を丸くさせているぞ。




「っふふ、居ないよ。絶賛募集中、って言っておこうかなぁ。おし、ついでに隣の、えと…立花仙蔵、さん?も、どーぞ!時間あるからさぁ!」




突然当てられて思わず肩がはねる。




ここは良い印象を持ってもらうために忍者らしい質問をしよう。




「武器は何処に仕舞っているんだ?その格好ではものを入れるスペースはないようだが」




「私ね、あんまり忍者らしいものは使ってないんだけど、苦無と小型の銃はここに刺してるよ」



ぴら、っと着ている服の前の布が捲られ、左の太腿が顕になった。



太腿に巻いてあるベルトに苦無と銃が括り付けられていた。



いや、今はそんな事はどうでもいい。




男の前で遠慮もなくこんな事をするのか?




ぼ、っと顔が熱くなる。




私だってまだまだ思春期の男子だ。




片手で顔を覆って「有難う」と呟いた。

挨拶→←朝会



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.2/10 (27 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
46人がお気に入り
設定タグ:忍たま , 愛され , 逆ハー   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

スイちゃんのご友人です! - 更新待機 面白かったです三c⌒っ.ω.)っ シューッ (2023年2月5日 16時) (レス) @page11 id: 5ad601e96f (このIDを非表示/違反報告)
ふる(プロフ) - 唯さん» 拝見させて頂きました!面白かったので、更新頑張ってください! (2020年2月19日 16時) (レス) id: f8c3905ae5 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - おはようございます!朝早くからすみません!実は今「忍術学園5年生にはフリー忍者の妹がいます」と言う小説を書いています。もしよければ読んでくれたら幸いです! (2020年2月19日 5時) (レス) id: 238aca14d7 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ふる | 作成日時:2020年2月16日 16時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。