SnowManと私、圧倒的不仲です。

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juri




樹「泣くなよ、」

「だって、」



俺の腕の中で涙を流すAは、
いつも生意気でわがままで強いくせに、
か弱くて今にも消えてしまいそうな儚さがあった。



Aは、綺麗だ。
顔はもちろん、心も。
ジャニーさんが昔、男の子だったらすぐにスカウトしたのに…なんて愚痴をこぼしていたらしい。



樹「…A、そんなに嫌なら辞めちゃえば」

「…え、」

樹「そんなに嫌なら、俺達のそばにずっといればいいじゃん」




結構本気で言ったんだけどな、
「それができたら苦労しないよ」そうぐちゃぐちゃな顔で笑ったAは俺の腕から手を離した。




「…最初で最後、こんなに泣くのは。だってSnowManがいくら私を嫌ってたって、会社にとっては大事なタレントだから」




…Snow Manは、兄さん達は別にAを嫌いな訳じゃないんだよ。
そう、伝えてあげたいのに俺のどす黒い感情が邪魔をして声にならない。



だってそれを知ったらAは、
きっと昔みたいに信頼して安心して、
俺達のことなんかすぐに忘れちゃうんじゃないかって。




次に涙を流したAを抱きしめるのは、
俺じゃなくて兄さん達の誰かなんじゃないかって。




…焦ってた、俺は。




樹「…A、」

「…ん？」

樹「俺のそばにいろよ」




まだデビューだってしてないし、未来なんて保証できないし、
でも俺、絶対Aを幸せにするから。





樹「俺の彼女になってよ、」

「…っ、」




ずっとずっと我慢していた気持ちが溢れ出た瞬間だった。

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