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いつも通りの学校からの帰り道を2人で並んで歩く時間だった。
気づかれないようにチラッと横を見ると、改めて実感する整った綺麗な顔立ちの彼。そんな世の女子がほっとかないような男が私の隣にいて。
『...傑はどうして私と付き合ったの』
「どうしてって急に...何かあった?」
『...答えてよ』
質問を返すのは許さないという意を込めた。傑はふふ、と笑って口を開いた。あまり見なくなった素を感じる笑顔に胸が高鳴る。
「君が好きだからに決まっているだろ」
『でも...私より可愛い女の子達に告白されたりしてたでしょ?私と付き合い始めた後だって』
「もちろん全部断ってるよ」
そうは言っても、相手が諦めるかどうかだって分からないじゃない。それに、最近の傑の隣にいるといつも嫌な想像ばかりしてしまって嫌になる。
『...別にいいんだよ?無理して私と一緒に居なくても』
夏「無理してなんかない。私はAだから付き合ってるんだよ」
『私といて楽しいの?』
「もちろん。君とならいつだってどこだって楽しいよ」
きっと本心では酷いことを思っていても私を傷つけないために口には出さないんだろう。私はこのモヤモヤした気持ちのまま付き合い続けることに、半分諦めてしまっていたのかもしれない。
『......嘘つき』
「...嘘じゃないよ。どうしたの、やっぱり何かあったでしょ」
楽しくないと言って欲しいわけじゃないのに、本心だと信じきれない私。自分ばかりこんなにモヤモヤして迷って、馬鹿みたい。
そう思った瞬間、溜まりに溜まって喉まで来ていた本音を吐いてしまった。
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hocha - 切なすぎて涙が止まらないです…!! こんなに泣ける夢初めて読みましたありがとうございます (2022年3月12日 1時) (レス) @page12 id: d352593a5c (このIDを非表示/違反報告)
RIO - こんなに涙腺緩んだん初めてです、、夏油さんの思いとか余計に泣けてきて…… (2022年2月27日 7時) (レス) @page12 id: 759836d8d0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:神凪巫琴 | 作成日時:2022年2月25日 16時