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彼女を殺めた感覚は、親の時とはまるで違くて手の震えが止まらない。
呪術を扱えない猿は嫌い。それはこれからもずっと死ぬまで変わらない。だから親だって友だって愛した人だって非術師なら特別扱いなんか出来ない。だから殺したのに。
気を緩めたら零れ落ちてしまいそうな言葉を必死で飲み込むように手で口を抑えた。
無音の中で、場に似合わぬ綺麗な高らかな音が響いた。力無く落ちた彼女の細い首から垂れ落ちたのは、光を失った私の目にはあまりに眩しく輝くムーンストーンがあしらわれたネックレスだった。
それは、私が彼女にプレゼントしたもの。
あんな別れ方をして3年も経った今でもそれをつけているなんて。
君は、あの頃から何も変わっていないね。
変わってしまったのは、私だけ。
彼女はなんて、残酷なんだろうか。
「死なないでくれ」
力無く呟いた言葉は、どうかあの時のように風に乗って消し去ってしまえ。どうか、無かったことに。
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hocha - 切なすぎて涙が止まらないです…!! こんなに泣ける夢初めて読みましたありがとうございます (2022年3月12日 1時) (レス) @page12 id: d352593a5c (このIDを非表示/違反報告)
RIO - こんなに涙腺緩んだん初めてです、、夏油さんの思いとか余計に泣けてきて…… (2022年2月27日 7時) (レス) @page12 id: 759836d8d0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:神凪巫琴 | 作成日時:2022年2月25日 16時