背伸び＊４ (ページ37)

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A

ふ「あ、起きた。A、だいじょぶ？」

『うん…」

たつやの声で目が覚めると照達の姿は無かった。

テーブルの上も装飾も片付けられていて、私どれだけ寝ちゃったんだろう…

ふ「だてさん、A起きたから帰るね」

だ「あー起きた？大丈夫？」

『うん…私またやっちゃったんだ…』

だ「たまにはね、さっきみたいに発散させないと。またいつでも話聞くからね」

たつやが帰りの支度をしてる間に小さな声でそう言ってくれた。

さっきみたいに発散させる、とは…？
私なにか発散させたんだろうか？

たつや達がうるさくて、こっちに移動して…
だてさんと話しながらシャンパンを飲んで…

それから…

たつやと照がこのお店に初めて来た時の話になったんだ…

少しずつ思い出してきた。

そうだ。

サークルのみんなで来てたって話。

で、そのサークルには当時彼女がいて、簡単に忘れることができなかったって付き合う前にたつやから聞いたことあったから…

だてさんに色々当時のこと問い詰めて困らせちゃったんだ…

『だてさん、ごめんなさい。私…』

ふ「よーし帰ろっか、だてさん本当に今日は色々ありがとう」

だ「こちらこそ今日はありがとう」

だ「Aちゃん、大丈夫だからね。結婚式楽しみにしてるよ。はい、これお土産」

『う、うん。ありがとう』

紙袋に入ったお土産を受け取ってお店を出て少し歩いた。

ふ「ふらふらしない？」

『うん、もう平気』

ふ「お土産なんだろうね、俺持つよ」

『ん、ありがと。たぶん、唐揚げかな？いい匂いするよ」

紙袋を渡すと

ふ「うわーめちゃくちゃいい匂いする！帰ったら食ーべよ」

『そうだね』

ふ「ねぇA、俺こんな性格だから色々気付けないことあると思うんだ」

『どうしたの？急に』

ふ「思った時に言いたいなと思って。でね、知らないうちにAに我慢させちゃったり嫌な思いさせちゃったりすることあると思うんだよね。そういう時は些細な事でもいいから溜め込まずにすぐ言って欲しいなぁって。俺も何かあれば言うから。」

『うん、わかった』

ふ「小さい事でもいいんだよ？あ、でもチューで起こすのをやめたいって話だけは聞かないからね」

『ふふっ…わかったよ』

ふ「わかればよろしー！あっ、タクシー！おぉ～い！」

タクシーで帰宅して、唐揚げを食べながらまた少しだけ飲んだ。

明日休みって最高。