背伸び＊４ (ページ30)

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たつや

やっと終わった。

家に帰って玄関のドアを開けると美味しそうな匂いがして、Aが笑顔で出迎えてくれた。

ソファーに座ってとりあえず隣にAを呼んで、

ふ「ちゅーしていい？」

俺がそう言うと急に目が泳ぎ始めたA。

ふ「A？」

ほっぺたをムニュっとつかんで、同じようにタコの口にして「ちゅーーー」って顔を近づけると

「ちょっとまったーーー！！」

と声がして振り向くと照と翔太がテーブル下から出てきた。

ふ「なっなんで？」

照「ふっか誕生日だから」

翔「そ、祝いに来た」

Aを見ると顔を真っ赤にしてた。

俺、いま…

翔「あぶねーあぶねーラブシーン突入かと思った」

『翔太！』

照「勘弁してくれよ」

ふ「それ俺のセリフだから！」

『たつやの誕生日だから来てくれたよ。いきなり来てビックリだよ、しかも内緒にしろって言うし。たつや全然気付かないし、2人出てこないしさー』

翔「いやぁ～色々ビックリよ」

ふ「やめろ」

翔「だって、ふっかが…くくくっふがっ」

照「翔太！こいつ誕生日！ふっふふっ」

そう言う照もめちゃくちゃ笑い堪えてるし。

Aは相変わらず顔を真っ赤にしてる。

俺の誕生日に2人が来てくれるなんて思ってもいなかったから素直に嬉しいけど、めちゃめちゃ恥ずかしいとこ見られた。

『みんなで食べよっか』

照「明日仕事だからあんまり長居はしないけど」

翔「さっきの続きもしたいだろうしね～」

『翔太君は食べなくていいのかな？』

翔「はい、すみません」

Aの一言で翔太は黙った。笑

少しお酒もまわってきたくらいで、

翔「あ、ねぇA、ふっかとこの前バッタリ会ったの。聞いた？」

『へぇー聞いてない、会ったんだ！』

ふ「うん、コンビニでバッタリ」

翔「ふっか女の子と居たぞ」

ふ「おい、違うって！」

なんてこと言い出すんだよ！
Aの顔見ろよ！

翔「え！可愛い女の子と2人で話してたじゃん」

照「翔太やめろって！飲み過ぎだぞ」

翔「あんな可愛い後輩が会社にいるなんてさ…

ふ「A？」

あーあーあ…

照「翔太！！おまえいい加減にしろって！もう帰るぞ！」

ふ「え、帰るの？ちょ、待ってよ、翔太このままにすんなって」

照「2人で話した方がいい。こんなことになってごめん」

翔「え、や、まだ」

照「いいから行くぞ」

翔太を無理矢理つれて出て行った。