背伸び＊４ (ページ25)

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たつや

次の日、会社に行くと

「おはようございます」

ふ『あ、おはよう。河合さん』

河「昨日はお休みなのにスミマセンでした。あの後、田中さんに連絡して解決しました。今日午後からまた行って来ます」

ふ「そっか、よかった。あ、それ俺持って行くからいいよ」

と、河合さんが持ってた資料を受け取ろうと手を出したら

河合さんは一瞬止まって

河「あ、指輪…あれっ、深澤さんてご結婚されてたんですね」

ふ「あ、あぁ、そうなの。年末に入籍したばっか。この前の忘年会の時にみんなに報告したんだけど河合さん帰っちゃってたね」

河「え、じゃあ、あの、私メッセージなんて送ってしまってご迷惑でしたよね…すみません…」

ふ「それはさ、仕事のことだから大丈夫だよ。気にしないでいいよ」

河「そ、そうですか…でも、すみませんでした」

そう言って、さささーっと小走りで給湯室の方へ行ってしまった。

そして、数分後に俺のデスクに来て

河「あ、あの。ご結婚おめでとうございます。すみません。あ、じゃあ…失礼します」

とコーヒーを置いてまたいなくなって行った。

ふ「あ、ありがと…」

顔を真っ赤にして、申し訳なさそうにする河合さんを見てると、なんか逆に申し訳ないなと思ってしまう。

田「せんぱーい、おはようございます。今のって…」

田中が向かいのデスクに座りながら言った。

ふ「あー、コレ。コレ見て気付いたみたい。なんかめちゃくちゃ謝られたよ。」

左手を見せながら言うと

田「あぁ～。河合ちゃん、ショック受けてるだろうなぁ。俺の出番かなぁ～」

ふ「おまえ、そういうのうまそうだもんなぁ。まぁ、部長のこともそうだけど河合さんのこと頼むぞ」

田「はい、お任せください」

Aの作戦通り、というかまぁ、予定外の流れだったけど河合さんに伝えられた。

仕事から帰ってAに報告するとAも安心したみたい。

よかった。