*166 ページ22
A
湯船に浸かりながら考える。
やっぱり、ムカつく。
思い出したらだんだん腹が立ってきた。
お風呂から上がってガチャっとリビングのドアを開くと
ふ「A」
と、たつやが私の名前を小さく呼んだ。
そんな呼びかけは聞こえなかったふりをしてキッチンに行き冷蔵庫から水を出して飲んでいると
ふ「A、ちょっと来て」
『待って、あとで』
ふ「だめ、今」
『なんで』
ふ「だってA怒ってるじゃん」
『そう思うならちょっと放っといてよ』
ふ「ごめん、でも俺こういうのやだ。ちゃんと話そ?』
ソファーから立ち上がってだんだんと近づいてくるたつや。
ふ「さっきは大事な話してたのに、放ったらかしにしちゃってごめん」
『……………』
ふ「どうしたら機嫌直してくれる?」
『……………』
ふ「ねぇねぇ、なんか言ってよ」
しょんぼりしてるたつや。
いっそのこと、聞いてしまおうかな。
結婚式の話の途中でスマホに夢中になられたのは勿論ムカつく。
だけど、"後輩"って、あの河合なんとかさん?
この前携帯画面見えちゃったって…今更だよね。
忘れかけてたのに、最近出てくる"後輩"
ふ「本当にごめん」
『あの』
ふ「ん?」
『めんどくさいこと言っていい?』
ふ「もちろん。めんどくさいなんて思わないし、なんでも言ってよ!」
『たつや最近さ…後輩からメッセージくるでしょ…』
ふ「あ…うん」
『この前たつやがシャワー入ってる時にね、スマホの画面見えちゃったの。見るつもりなんてなかったけどそこに置いてたから見えちゃったの。河合なんとかって女の人からだった』
ふ「あー、そっか。後輩の河合さんね。河合さん今取引先の部長とちょっと色々あって相談にのってたんだよね」
『うん。仕事のことだってわかってる、でも…』
ふ「でも?」
『メッセージ来るようになったの忘年会の後からだし、たつやあの日珍しく酔っ払って帰って来たし。だいたい、たつや結婚したって報告したんだよね?それなのに夜遅くとか朝早く出勤前ににメッセージ来るなんてさ…おかしいじゃん。普通、新婚さんにメッセージ送る?」
824人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「SnowMan」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ふな | 作成日時:2021年7月18日 20時