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A





お腹が満たされたようなので、ダイニングテーブルから下のソファーに移動して2人で並んでパンフレットを見た。



私の話を聞きながらパンフレットをめくるたつや。



ふ「へぇ〜凄いな。こんなこともできんのかぁ」



『そうなの!凄いよね!あと、これも凄い人気なんだって!』



ふ「すげーな!!おぉ〜これも面白そう!!」


すげーすげーってたつやも凄い興奮してる。

私に追いついてきた?笑



『ドレスも素敵なのたっっくさんあったよ』



ふ「早くAのドレス姿見てぇーな」



『楽しみぃーーー!』



ピコン

たつやのスマホが鳴った。


ふ「なんだよー、誰だ?」



スマホを手に取り、ため息をついた。



『仕事の連絡?』



ふ「んー、そんなとこ」



『そんなとこ?』



ふ「後輩がちょっとトラブルあってさ…」


後輩って、あの "後輩"…?


河合なんとかって人?


『…大変だね』



ふ「俺自分のことでいっぱいいっぱいなのに、立場上いろんな相談うけるのよ」



『そうなんだ、頼りにされてるね深澤主任』




ふ「Aに深澤主任って言われると照れるわ」



『深澤主任?』

下から顔を覗き込むと、


ふ「ちょ、やめて。待って、とりあえず返事するわ」



と、私に背を向けてどの"後輩"かわからないけど返事を打ち始めた。


結婚式のことで盛り上がってたのに、もしメッセージの相手が河合なんとかさんだったらムカつくなー。


新婚だってわかってるんだよね!?


まぁ、河合なんとかさんじゃないかもしれないけど…



『主任さんまだですかね』



ふ「もうちょい」



と言いながら、すぐまたピコンとスマホが鳴って、なかなかこちらの世界に戻ってこない。



もういいやーーー。

食器片付けちゃお。



キッチンで食器を洗い始めると

ふ「ごめん、終わったよ。こっち来てよー」



『さめちゃった!』



ふ「え?」



『お風呂入ってくる』



ふ「あ、お湯?追い焚きすれば?」


ちがうんだってば。
お湯がさめちゃったんじゃなくて。


結婚式のことで話したいこといっぱいあって気持ちあがってたのに、あの興奮はどこへ…


脱衣所で服を脱いでる間も、
「追い焚きできるよね?」とか、「ちょっと熱いお湯足した方が早いかもよ?」とか言ってるけど無視。



ふ「A?あれ?もう入ったか」


と、諦めていなくなった。

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作者名:ふな | 作成日時:2021年7月18日 20時

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