背伸び＊４ (ページ3)

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たつや

川沿いを散歩しながら
照や翔太との思い出を話すA。

みんなに見守られながら大切に大切に育てられたんだなーって。

これからは俺がしっかり守らないといけないんだって改めて実感した。

『翔太とすぐ仲良くなってたよね』

ふ「あーー、うん。わりと早かったかも。なんかノリが合うってゆーか」

『そうでしょ？絶対仲良くなれると思ってたんだー。翔太もチャラいしねー」

ふ「"も"ってなに。俺はチャラくねーよ」

『どうだかねー。たつやの第一印象は、チャラくてうるさい人だったよ？』

ふ「あれでしょ？ジム初日の時の。あれは、しょうがないじゃん。俺はあの時Aのこと一目惚れしたんだからね？」

『うそっ、そうだったの？』

なんて、今になって一目惚れだったことを伝えるとすぐに顔を赤くした。

たしかにあの時、初対面で飲みに誘ってけっこう強引に仲良くなろうとした。
でもあの日の俺によくやった！って言ってやりたい。

ふ「Aは？」

『え？なに？』

ふ「いつ俺の魅力に気づいちゃった？」

『いつだと思う？』

ふ「あ、質問返し？えーっと、遊園地あたり？」

『ぶー。もっと前。』

ふ「もっと前！？ウソでしょ！」

『たつやのスーツ姿を初めて見た時！』

えぇーー
それってまだ会うの3、4回目くらいの時じゃん。

そんな前から俺のこと？？

ふ「だいぶ俺たちすれ違ってたんだ…」

『そうだよ！だって気になる人がいるって言ってたし、好きになっちゃいけない人だと思って諦めようともしたんだよ。でもやっぱり好きで、頑張って誘ったりしたんだから。こんなに頑張ったの初めてなんだよ』

ふ「ありがと」

Aのことを抱きしめた。

『うん、私めちゃくちゃ頑張った』

ふ「頑張ってくれてありがとな」

頭をポンポンってすると俺の顔を見上げて

『うん。そろそろ戻ろっか』

嬉しそうに、でも少し恥ずかしそうにAは言った。

Aと出会って良かった。

今日ここへ来て良かった。

心の底からそう思えた1日だった。