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A




たつやが酔っ払って帰って来た。

珍しい。
というかこんなたつやは初めて見たかも。



ネクタイを緩めて、ドサッとソファーに座った。



『お水もってくるね』


そう言って私が一歩足を動かしたらすぐに手をガシッとつかまれて、

ふ「Aは楽しかった?」


たつやが私を見上げながら言った。



『うん、楽しかったよ』



ふ「誰にも変なことされてない?」



『されてないよ……ねぇねぇ』



ふ「ん〜?」



『なんかあったの?』



ふ「俺も心配なんだよ〜A可愛いから」


そう言いながらグイっと手を引かれてたつやに抱きしめられた。


『たつや?』



ふ「あぁー、酔っ払ったな。やっぱ水もらおっかな」





『はい、お水』


ふ「ありがと」



『私の写真見せたの?』



ふ「うん、見せた。遊園地の時のね。みんなAのこと可愛いって言ってたよ」


私の写真をみんなに見せているたつやを想像すると、つい顔がニヤけてしまう。


ふ「俺はもう奥さん一筋宣言してきたからね!」



『私も、入籍したことと、これからは深澤Aとして働くこと報告したよ』



ふ「これでみんなわかってくれたかな〜Aは俺のものなんだって。あ〜俺くせ〜!シャワー浴びてくるね〜」



『うん、いってらっしゃい』




たつやが浴室へ行くと

テーブルの上のスマホが鳴った。




画面に少しだけ出たメッセージ


河合ふみ
お疲れさまでした。
深澤さんと話せて良かったです。…





会社の後輩かな…

続きが気になる…



たつやに聞いてもいいのかな…



シャワー後にスマホを見た時のたつや次第かな…






と思ってたのに、たつやはシャワーを浴びたあとスマホを確認することなく寝ちゃった。

すごーく、モヤモヤする!!







ふ「A〜」



『…ん〜…あ!』


たつやの声で目が覚めた。

モヤモヤしてベッドに行けずソファでそのまま寝てしまった。


ふ「なんでソファで寝たの?」



『そのまま寝ちゃってた』



ふ「もぉー淋しいじゃん。トイレで目覚めたらいないんだもん」



『ごめんごめん』



ふ「まだ早いからベッド行こ?』



そう言いながらテーブルの上のスマホ取って、私の手を引いた。



ふ「ほら、あったかいよ?俺の温もりたっぷり」


『うん、あったかい』




仰向けになってスマホ見始めた。


ふ「あ」


と言って一瞬固まった。


『どうしたの?』



ふ「会社の後輩からメッセージ来てたのに気づかなかった」

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作者名:ふな | 作成日時:2021年7月18日 20時

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