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たつや




いつ言おうか。
突然言うのもおかしいよな。

どうしようか、と迷ってるうちに一次会が終わってしまった。


部長や、その他数人が帰って行ったので残った人で二次会へ移動する。



すると田中が来て

田「今日言わないんすか?」



ふ「タイミング逃した」



田「え、じゃあ今言っちゃいましょ?ね?」



ふ「ちょ、おいっ

「えーっと、主任からみんなに報告があるそうでーす!」


前を歩く十数人に向かって田中が声をかけるとみんな一斉に振り返った。


ふ「や、えーと…、私事なんですが、先日入籍しました。こんな感じで報告する予定ではなかったんだけど…」



「えぇぇ?」

「マジかよ!」

「おめでとうございます!」



みんな口々に言ってる。笑



ふ「あ、ありがとうございます。より一層、仕事に精進して参りたいと思いますのでこれからもよろしくお願いします」


道端で言うなんて想定外。

だけど、言えてスッキリした。





田「いやぁ、これでホッとしてる奴何人かいますよ」



ふ「なんだよそれ」



田「もうバレてると思うんですけど、俺河合ちゃんのこと好きなんすよね。他にも河合ちゃんのこと狙ってる奴何人かいるっぽくて。でも河合ちゃんは…先輩のこと……わかりますよね??」



ふ「ぅえぇぇぇぇぇ!そ、そーなの?」



田「噂ですけどね。本人から聞いたわけじゃないんで、アレなんすけど。でも河合ちゃん見てたら誰でもわかると思います。先輩のこと目で追ってますもん」



ふ「そりゃーーまったく気づかなかった」



田「で、その河合ちゃんはさっき帰っちゃったんで、先輩が結婚したこと知らないんすよねーーー」



ふ「あー…そうだな…。だけど、俺べつに告白された訳でもないしさ」



田「まぁ、そうっすね」



そうなんだよ、これはどうすることもできない。




ふ「田中がんばれって!! あ、俺が言うとムカつく?」



田「はい、ムカつきますね。ははっ」






二次会では俺の結婚について話題がもちきりだった。

色んな部から集められた人と新入社員しかいないから俺のプライベートを知る人はいない。


田中は前の部署から同じで、前の彼女のことを知ってる奴だけど、Aのことは言ったことがなかった。



「奥さんの写真とかないんですかー?」

誰かに言われて、スマホのカメラロールを開いた時




ブーブーブー

"着信 A"

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作者名:ふな | 作成日時:2021年7月18日 20時

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