背伸び＊３ (ページ42)

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たつや

引越しが決まってからも俺の忙しさは変わらず、自分の荷造り以外のほとんどをAに任せっぱなしだった。

だけど、ようやく土日の休みがもらえて2人でジムにも行けたし家具や家電も見に行けた。

ベッドとか冷蔵庫とか大きな物は新居に配達してもらうことにして、持ち帰れる物は俺の家に運んだ。

そして、数日前にマンションの契約が終了したAは俺の家に来ていて、仕事の帰りにちょこちょこ食器とかクッションとか買って帰ってくるから、少しずつ俺の荷物以外の物も増えていく。

『ねぇ、たつやーコレ見て！かわいいでしょ！』
って、お揃いのマグカップとお茶碗を嬉しそうに見せてくる。

そんなAのほうがよっぽど可愛くて、

ふ「A？」

『なにー？』

チュッ

『んっ、なにー急に』

ふ「ちゅーしたくなった！」

『もぉーっ』

顔を赤くして照れてるA。

ふ「ごめんね、あんまり買い物一緒に行けなかったね」

『ううん、これからたつやとずっと一緒にいられるんだもん。そのための買い物だから1人でも楽しかったよ？』

ふ「ありがと」

ダンボールだらけのリビングにはソファーとテーブルとテレビだけ。

この３つはまだ新しいからこれからも使うことになった。

『たつやの家にぬいぐるみ無いとなんか淋しいね～』

ふ「そうだねー。あ、そうだ、明日はクマ吾郎達ひさしぶりの対面だ！」

『うん、クマ吾郎待ってるよ～』

先週マンションが完成してAの荷物たちは既に運んであるからクマ吾郎はそっちで待ってる。

ふ「明日早く起きないとなぁ～。起こしてよ？」

『わかってるよーー』

ふ「じゃ、寝よっか！はい、おいで～」

ベッドに入って俺が呼ぶと
嬉しそうに入ってきて俺の胸元におさまる。

こうやってくっついて寝るシングルベッドも悪くないんだよなぁ～。

Aはモソっと動いて俺を見上げた。

『おやすみ』って言ったけど…

ふ「やっぱ寝れねー」

体勢を変えて俺が上に覆い被さると

『早く寝ないとダメじゃん』

ふ「わかってるけどーー……

我慢できなかった、俺。笑