背伸び＊３ (ページ30)

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A

『遅くなったけど、はい、翔太これあげる』

車に乗り込んだ翔太に紙袋を渡すと

翔「うわっ、なに」

おそるおそる中身を見て

翔「あーー、ホントにくれるんだ」

『え、そりゃそうでしょ。あの時ありがとね。私、おかげさまでもう大丈夫だから！』

翔「あいつから聞いたわ。よかったな、A」

『うん』

翔「で、新しい彼氏、ふっかだっけ？そいつとはどうなの」

『どうって、うまく言ってるよ。ふふふっ』

聞かれたから答えただけなのに

翔「うっぜー」

って言われた。

照「翔太、きいて？俺今日Aのこと迎えにふっかの家行ったんだよ？」

翔「うっぜー」

『うるさいな。嫉妬か？嫉妬してるのか？』

翔「まじうっぜー」

照「翔太そればっかり」

あはははははっ

3人で実家に帰るこの時間は凄く居心地がいい。
と言っても車で1時間くらいだからすぐ着いちゃうんだけど。

『ただいまー』

母「おかえり！A！ひーくん、翔太くんもおかえり！」

照「ただいまー」

翔「ただいまー母さん達は？」

2人は当たり前に家にあがっていく。

母「もうすぐ、お母さん達も来ると思うよ」

照「おばさん、腹減ったー」

翔「あー俺もー」

『わたしもー』

母「なに、あんた達食べてないの？」

照「そう、俺なんてコイツの彼氏んち迎えに行かされてさ…

『照！』

母「彼氏？A、あんた彼氏できたの？」

『まぁまぁ、それはあとでゆっっくり話すから！！お腹すいた！！』

照を見ると舌をペロって出してるし、
翔太はプッて笑ってるし。

さっきたつやからフォローするように頼まれたって言ってたよね？
ダメダメいきなりこんなこと言っちゃ…

照と翔太の妹達もウチに到着して全員集合。

父「じゃ、今年もみんなありがとー！お疲れ様。カンパーイ！」

毎年恒例の父の乾杯の音頭で宴会が始まった。

翔ママ「Aちゃん、どんどんキレイになって～」

照ママ「もう24歳だもんねぇ。あんなに小さかったのに、早いわぁ～」

『いや、お宅の子達27歳ですけどね？』

照ママ「やだぁ、もうあっという間に30歳だわ」
って2人して笑ってる。

このまま親達は子供達の結婚について話はじめて

この流れでたつやの事を話すことになるのは嫌だからそーっと隣の部屋に逃げた。