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A




「まぁーね…たつやって呼ばれたのは初めてだわ」


そう言われて聞きたくないけど…


『今までの彼女たちからは何て呼ばれてたの?』


ふ「ほとんどふっかだよ」


『ほとんど?』


ふ「え、っと、一人は、たつやくん」


たつやくん?
歳下の彼女かな…


『たつやくんって、なんか…らしくない』



照「ふっか、Aに言っといた方がいいと思うけど。」


なに…
照の言い方的にイヤな予感しかないよ…


ふ「……そうだな。A、あの…こんな風に話すと不安にさせちゃうと思うんだけど…最後まで聞いて」



『うん』


照「俺ちょっと席外すわ…」


ふ「あ、うん悪い」


『なんか…やだ…』



ふ「だぁいじょうぶだから!普通に聞いて!」


『わかった』


ふ「あのねぇ、Aの前に付き合ってた人って俺の先輩なんだ。今は同じ部にはいないし、顔を合わせることはあっても挨拶する程度。
で、俺のことたつやくんって呼んでたのはその人。もう一年半くらい前の話だよ。」


同じ会社に元カノいるんだ…

しかも先輩ってことは年上ってことだよね…

その人とはどうして別れたんだろう…


ふ「A?」



『そう…なんだ…』



ふ「そうなるよね。もしAの会社にAの元カレがいたらって考えたら俺もイヤだなって思う。でも、ホントにもう前のことだから。今の俺の彼女はAでしょ。」


『うん…』


ふ「あとは、何か聞きたいことある?この際だから気になってることあったら言って?」



今まで何人と付き合ったの?
その人達とはどうして別れたの?
どういう人と付き合ったの?

あの家には何人の人が泊まったの?
私が持ってる鍵は元カノのお下がりなの?


聞きたいことは山ほどある。

だけど、こんなの全部聞いたら面倒臭い重い女だと思われちゃうよね…

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作者名:ふな | 作成日時:2020年12月6日 23時

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